スペイン国王のフェリペ6世は25日夕、国民党(PP)を率いるラホイ暫定首相に組閣を要請した。議会はこれを受け、信任投票を実施する。最大野党・社会労働党(PSOE)は既に続投を認める方針を示していることから、29日にラホイ氏が再選される見通しだ。AFP通信などが伝えた。
ラホイ氏は国王との謁見後、「少数与党による政権運営は極めて難しいと認識している」とコメント。ただ、安定した政権となるよう努めると強調し、4年間の任期を全うする決意を示した。
スペインは昨年12月の下院(定数350)選挙で政権樹立に失敗して以降、10カ月にわたり政治的空白が続いている。6月末のやり直し選挙の結果、PPは第1党を維持したものの、議席数は137議席にとどまり、野党の協力も得られなかったため、連立協議は不調に終わっていた。
こうした事態を打開するためPSOEは先に、信任投票を棄権し、ラホイ氏の続投を容認する方針に転換。ラホイ氏は今後、PSOEとの協力を約束しており、「連携に向けた協議をする準備はできている。議論が分かれる問題については棚上げする」と柔和な姿勢を示している。
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