都市開発プロジェクトが進行しているウィーン東郊ゼーシュタット・アスペルン(Seestadt Aspern)で、木造の高層ビルが着工した。地上84メートルと木造では世界最高で、新たなランドマークとなりそうだ。ザ・ローカルが13日伝えた。
木造24階建てビル「HoHo」の総工費は約6,500万ユーロ。完工は2018年秋を見込んでおり、ホテルやレストラン、スポーツジム、オフィスなどが入居する予定となっている。同ビルでは、中核となる構造部分にコンクリートを使用するものの、全体の76%をトウヒ材で賄う。木造建築は火災のリスクが高くなることから、ウィーンの消防当局が建築家と防災計画を策定しているほか、万全なスプリンクラーの開発を進めているという。
木造建築は通常より建設コストが高くなるが、同ビルを手掛ける地場不動産ギュンター・ケアブラー(Gunter Kerbler)は、木造を選んだ理由に環境への配慮を挙げている。同社によると、「HoHo」は、同様の構造のコンクリートビルに比べて、二酸化炭素(CO2)の排出量を2,800トンほど削減することが可能。これは、自動車を1日40キロメートル、1,300年間にわたり毎日運転する場合の排出量に匹敵するという。
なお、木造の高層ビルはロンドンでも計画されている。実現すると、ロンドンのビルが高さ約300メートルで世界最高記録を塗り替える見込み。[環境ニュース]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。