大規模な難民の流入に直面する欧州連合(EU)加盟国を支援する「欧州国境沿岸警備隊(EBCG)」が6日、正式に活動を開始した。陸路での主要な流入経路となっているブルガリア・トルコ国境のカピタン・アンデュレボ(Kapitan-Andreevo)検問所でこの日行われた記念式典には、EBCGのレッジェリ長官や、EUのアブラモプロス移民・内務担当委員、ブルガリアのボリソフ首相、加盟国の内務省関係者らが参列した。
EBCGは、加盟19カ国から招集された国境警備隊員の計1,500人で構成。国境管理は各国当局が従来通り行うものの、域外から難民が殺到した際などの緊急時に、当該国はEBCGへの応援を求めることができる。またこうした要請がなくとも、域外との境界が機能しなくなりつつあると判断される場合には、欧州委員会の勧告に基づき欧州理事会がEBCGの隊員を派遣する。
EUでは2004年、欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)を設立し、国境警備に当たっていたが、昨夏以降の難民の大量流入に対応しきれず、欧州委は昨年12月にこれを増強したEBCGの設立を提案。今年7月に欧州議会がこれを承認した。EBCGの始動は、国境警備の強化だけでなく、難民政策で対立する西欧と中東欧の歩み寄りを推進する狙いもある。長期的には、人の自由な行き来を約束するシェンゲン協定の域内で、現在緊急措置として導入されている国境管理を取り除き、協定の正常化を目指す。
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