ハント英保健相は、2018年9月から医学生の定員を全体で最大1,500人引き上げる方針を明らかにした。英国の欧州連合(EU)離脱を念頭に、イングランドの国民医療制度(NHS)において外国人医師への依存を低下させるため。現在、6,000人に設定されている医学生の受け入れ上限も撤廃する。
NHSは国外出身の医師が4分の1を占めており、同相は2025年までに医師の「自給自足」を目指す方針。ただ、既に在職のEU出身者については、ブレグジット後も勤務を継続できるようにする考えだ。保健省がこうした計画を打ち出した背景には、医師不足に悩む後進国から人材を受け入れながら、医学志望の英国人学生の半数が現在の定員制に進路を阻まれているという歪んだ実態がある。
なお同省はNHSの派遣スタッフへの依存度も低下させる方針。医療機関は昨年、派遣スタッフに33億ポンド、うち非常勤医に12億ポンドの人件費を支出している。
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