英国の欧州連合(EU)離脱の決定を受け、アイルランドと英領北アイルランド間の国境管理が復活する可能性が出てきた。アイルランドのフラナガン外務・貿易相の話として、ロイター通信などが3日伝えた。
アイルランドと北アイルランドの境界はブレグジット後、英国とEU間を陸路で直接行き来できる唯一の境界線となる。英・アイルランド両国は6月の国民投票後、いずれも国境管理について過去への逆戻りは望まない考えを示していた。しかしフラナガン外相はメイ英首相が来年3月末までにEU条約50条に基づく正式な脱退通告を行う方針を表明したことを受け、手続きが終わる2019年までに国境管理を再開するシナリオも排除できないと話している。
英領北アイルランドでは、アイルランドへの併合を目指すカトリック系住民と、英統治の継続を望むプロテスタント系住民が対立。1998年の和平合意締結までは、両国間の国境は軍が検問所を設置し管理していた。1993年1月には通関手続きが廃止されたが、その後も自由な通行はできず、2005年にようやく最後の検問所が撤去された経緯がある。
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