イタリア政府は16日、ユーロ導入の立役者とされるカルロ・アゼリョ・チャンピ元大統領がローマ市内の病院で亡くなったと発表した。長年にわたり病を患っていたという。95歳だった。
チャンピ氏は1946年に中銀のイタリア銀行に入行。1979年~1993年まで総裁を務め、中銀と政治の分離独立に貢献した。1993~1994年には首相に就任し、政治・経済改革に尽力した。1996年のプロディ内閣入閣後は、ユーロ導入を推進。ユーロ特別税を含む増税などを通してイタリアの財政赤字を1996年の対国民総生産(GDP)比6.7%から、1997年には2.7%まで削減し、1999年のユーロ導入を実現した。国民から厚い信望を得て、1999年~2006年に大統領を務めた後、終身上院議員となっていた。
レンツィ首相はチャンピ氏を「情熱をもってイタリアに尽くした主導者」として賞賛。欧州委員会のユンケル委員長は「今日、私たちは偉大なイタリア人で、かつ欧州人だった人物を失った」と同氏の死を悼んだ。
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