ロンドンのサディク・カーン市長は13日、ロンドンの名物タクシー「ブラックキャブ」の支援策を発表した。米配車サービス大手ウーバー(Uber)などとの競争に悩む同業界を後押しすると同時に、タクシーのグリーン化を促す。
同市長は、ロンドン交通局(TfL)が管理する市内20カ所のロンドン市バス専用車線を、ロンドンタクシー向けに開放。また、タクシー乗り場の数を2020年までに20%以上増やすほか、TfLの乗り換え案内・時刻表サイト「ジャーニー・プランナー」に2017年夏からタクシー情報を追加する。
「ブラックキャブ」のグリーン化に向けては、来年から大気汚染物質の排出量が多い旧型タクシーの廃車費用を1台当たり最大5,000ポンド補助。また、ゼロエミッション車(ZEV)の購入支援に向け、先着9,000台を対象に1台当たり3,000ポンドを補助する。政府にも追加補助を求めており、実現すれば1台当たりの補助金は計7,500ポンドとなる見通し。さらに、2018年1月以降はディーゼル車のタクシー登録を認めない。
TfLは先に、10月からウーバーを含む民間ハイヤー会社の運転手に、英語の読み書きおよびリスニングのテストを義務付けると発表した。ウーバーはこれを不服とし、TfLを提訴する方針だが、カーン市長は今回、この計画を断行する方針を示している。
同市長は「サービス水準を引き上げ、乗客の安全性を高めると同時に、ユニークでかけがえのないサービスを提供するロンドン名物ブラックキャブの未来を守りたい」と話す。これに対しウーバーは「ブラックキャブを優遇し、ウーバーなどアプリを利用したサービスを差別している」と批判。自社の運転手に負担を強い、結果的に数千人が失職する恐れもあると訴えている。[環境ニュース][労務]
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