ロンドンのサディク・カーン市長は5日、1時間以内のバス乗り換えが無料になる「ホッパー料金」を12日から導入すると発表した。市長選での公約通り、ロンドン交通局(TfL)の利用者負担を軽減するとともに、公共交通機関の利用を促し渋滞や大気汚染を軽減する狙い。
ホッパー料金の対象はTfLが運営するバスとトラム。現在は乗車するたびに1.5ポンドの料金がかかるが、ICチケット「オイスターカード」や非接触型決済カードを用いれば、最初の乗車から1時間以内なら無料で別のバスに乗車できるようになる。これにより、年間延べ3,000万回分の乗車が無料になる見通しという。
2回目以降の乗り換えは、決済システムが未対応のため従来通り課金されるが、2018年までにはシステムを改良し、1時間以内なら何度でも無料で乗り換えられるようにする。また、同年以降はバスから地下鉄を含む鉄道に乗り換え、再びバスに乗る場合にもホッパー料金が適用される。
ロンドンの昨年のバス利用者は延べ25億人。うち1時間以内に複数のバスに乗車した人は8,600万人と推定される。カーン市長は「ロンドンのバス料金は8年連続で上昇しており、通勤にバスの乗り換えが必要な人にとっては不公平」と指摘。「低所得者にとって交通費が通勤や通学の支障となってはならない」と話している。
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