スウェーデン政府が、徴兵制の復活を検討している。志願兵の不足を補うためで、草案は9月中にも議会に提出される見通しだ。現地紙スベンスカ・ダーグブラーデットが8月31日伝えた。
それによると、政府は来年、17歳の国民を対象に新兵募集に関する質問票の記入を促す予定。この中から数千人を選出し、2019年にも兵役に就かせたい考えだ。招集対象は女性にも拡大するが、実際の徴兵者数は以前の制度を下回る。また、現在行っている志願兵制度も存続させる方針という。
スウェーデンでは1901年、男性を対象とした徴兵制を導入した。冷戦期の徴兵者数は約5万人と、対象となる男性全体の85%を占めていた。ただ、その後は縮小が進み、徴兵制度は2010年に廃止されている。一方、調査機関イプソスMORIが今年1月に行った世論調査では、国民の72%が同制度の復活を支持した。
なお、隣国ノルウェーでは毎年、17歳の国民およそ6万人に招集が掛かり、このうちオンライン試験や面接、身体・心理検査に合格した約1万人が兵役に就くシステムを採用している。2015年からは徴兵制度を女性に拡大。今年徴兵された国民のうち、3分の1を女性が占めている。
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