国連安全保障理事会は29日、次期国連事務総長の選出に向けた3回目の予備投票を実施し、ポルトガルのアントニオ・グテレス元首相が引き続き優位となった。ただグテレス氏に対しては、東欧からの選出を主張するロシアが反対しているという。ロイター通信などが伝えた。
予備投票は、年末に2期5年の任期を迎える潘基文・現総長の後任候補を1人に絞り込むまで繰り返される。安保理は選んだ候補者を国連総会に勧告し、10月の総会で承認する。安保理の常任理事国5カ国には候補者選出で拒否権がある。
予備投票は7月に始まり、3回目の投票は候補者10人を対象に実施された。安保理の15カ国は各候補者に支持、不支持、棄権を無記名で投票する。その結果、グテレス氏が支持11票、不支持3票、棄権1票と、1回目と2回目の投票に続いて首位に立った。2位は前回の10位から急浮上したスロバキアのライチャーク外相で支持9票、不支持5票、棄権1票だった。3位は国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長(ブルガリア)とセルビアのイェレミッチ元国連総会議長で支持7票、不支持5票、棄権3票で並んだ。
グテレス氏は優位にあるものの、ロシアが東欧出身者の候補に固執すればライチャーク氏が選ばれる可能性も強まる。一方、今回の投票で下位となったモルドバのゲルマン前外相やフィゲレス国連気候変動枠組条約事務局長(コスタリカ)、クラーク前ニュージーランド首相には撤退するよう圧力が出ている。
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