スペインのラホイ暫定首相率いる国民党(PP)は29日、最大野党・社会労働党(PSOE)と連立協議を行ったが、物別れに終わった。これにより、年内にも再度のやり直し総選挙が行われる公算が高まっている。ザ・ローカルなどが伝えた。
スペインでは昨年12月に続く今年6月の再選挙で、PPが137議席と第1党の座を維持。ただ、得票率が33%にとどまるなど明確な多数派が形成されず、9カ月近くにわたり政権が樹立できない事態が続いている。
下院(定数350)は8月31日と9月2日に、ラホイ新内閣の信任投票を行う。PPは先に、中道の新党シウダダノス(Ciudadanos)が提示した汚職防止策や選挙制度改革など6つの改革案を受け入れ、同党の支持を取り付けた。これにカナリア諸島の議員を合わせて計170議席を確保したものの、政権樹立に必要な過半数にはなお届かない。現状打破にはPSOEの協力が不可欠だが、同党のサンチェス党首は「われわれの支持者はラホイ氏を排除するために投票した」と一蹴している。
ラホイ氏は30日、議会で投票前の最後の演説を行い、「政権不在の状態はスペインの評価を傷付け始めている」と支持を訴えた。組閣が実現しなかった場合、3度目の総選挙は12月25日に行われる予定。
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