フィンランドの社会保健省は、2017~18年にベーシックインカム(基礎所得保障)を試験的に導入する方針だ。失業手当を受けている25~58歳の国民の中から無作為に2,000人を抽出し、月額560ユーロを強制的に支給する。
ベーシックインカムの狙いは、失業手当の打ち切りを恐れる人々に、たとえ短期の仕事でも就業機会を生かすよう促すことにある。試験期間中、フィンランド社会保険庁(KELA)から支給されるベーシックインカムに税金はかからない。
フィンランドの社会保障関連法にはベーシックインカムに関する規定はなく、今回のような試みは初めて。政府は現在、新法案に関するヒアリングを進めており、今後の試験運用を通じ、ベーシックインカムが社会保障の改革に役立つかを見極める考えだ。
ベーシックインカムはスイスでも導入の是非が議論されていたが、今年6月の国民投票で否決されている。[労務]
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