ノルウェーで今年に徴兵された国民のうち、3分の1が女性だった。同国では2014年10月、徴兵制度を女性に拡大する法案が可決し、2015年から実施されている。AFP通信が25日伝えた。
同国では1976年から、志願した女性が兵役に就くことが認められている。女性の徴兵が始まる以前に、既に兵士の14%を女性が占めており、国防省はこれを2020年までに20%にする目標を掲げている。法案成立の際、ブルーンハンセン国防軍総司令官は「ノルウェー軍における女性の存在は目新しいものではなく、(女性の徴兵は)自然な流れ」と説明。「人選の対象が2倍になったことで、やる気があり正しい専門知識を持った人材にさまざまな任務や地位を与えることが容易になった」と歓迎した。
ノルウェーでは毎年、17歳の国民およそ6万人に招集が掛かり、このうちオンライン試験や面接、身体・心理検査に合格した約1万人が兵役に就く。女性兵士は男性兵士と衣食住を共にし、同じ条件で訓練を受ける。2014年の調査では、軍では男女が共同生活することで性差別の意識がなくなり、連帯感が生まれるという結果が出た。一方、最近行われた調査によると、ノルウェー軍の女性兵士の多くが男女の共同生活を支持したものの、不適切な言動を受けたことがあるとした女性も18%いた。
女性も徴兵の対象とするのは、欧州および北大西洋条約機構(NATO)加盟国ではノルウェーが初。世界では、イスラエルなどが同様の制度を敷いている。また、ドイツやデンマークは軍の全部門に女性が就くことを認めているが、欧米の多くの国では女性が前線に出ることを認めていない。
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