オーストリア西部フォアアールベルク州が、子連れの物乞いに3万8,000ユーロの罰金を科した。ザ・ローカルが22日伝えた。
同州では子連れの物乞いが禁止されているほか、組織的な物乞い集団の台頭を防ぐために高額な罰金が設定されている。一方、今回、罰金を科された女性の弁護士は、収入がほとんどない物乞いに対する多額の罰金は「違法」であり、現実的ではないと指摘。女性はルーマニア出身で、収入は1日当たり20~30ユーロ。この大部分を本国に残してきた4人の子供たちに送金しているという。
フォアアールベルク州ではかねて、流入したロマ人がオーストリア文化との融合を拒否しているほか、就労意欲がないことを問題視する声が上がっている。同州のドルンビルン(Dornbirn)市は昨年、ルーマニア出身のロマ人キャンプを撤去。また、当局が物乞いをした16歳未満の未成年を拘束する事例が複数発生し、地方裁判所が違法判決を下した経緯がある。
オーストリアでは、ザルツブルク市が市内の複数カ所で物乞いを違反する条例を導入している、また、ドイツではベルリン市やブレーメン市、ミュンヘン市などが子連れの物乞いを禁止。市当局は、組織的な物乞い集団が同情を引くために子供を利用するのは虐待に当たるほか、保護義務への重大な違反であると説明している。
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