イタリアは、イスラム教徒の女性向け水着「ブルキニ」の海岸での着用を認める方針だ。既に3件の着用禁止令が出ているフランスとは一線を画す格好。アンジェリーノ・アルファノ内相の話を元に、伊紙コリエーレ・デラ・セラが17日伝えた。
ブルキニをめぐっては先に、仏南東部カンヌが着用禁止令を発令。テロの脅威にさらされている同国では、宗教色の強い水着が公共の秩序を乱す恐れがあることを理由に挙げている。同様にビルヌーブ・ルベ(Villeneuve-Loubet)やコルシカ島も禁止令を出している。
アルファノ内相は、「内務省は国民の安全を保障し、厳格な対応を決める責任があるが、攻撃を誘発しかねない挑発的な施策は講じるべきでない」と説明。フランスで相次ぐブルキニ禁止令については「最善の結果を招くとは思えない」と述べた。
一方で、9月にもモスクやイマーム(イスラム教の宗教指導者)に対する規制を強化する方針を示した。国内のモスクで説教をするイマームはイタリアで養成することや、国内のモスクに法律への準拠を義務付けることを検討しているという。ただ同相は「説教することと、憎悪や暴力をあおることは同じではない」とした上で、イタリア在住の約150万人に上るイスラム教徒をテロリストやテロ支援者として扱うことはできないと話している。
イタリアでは2015年初め以降、イスラム教の過激思想を説いたとされるイマーム9人が国外に追放されている。
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