世界中で移民への風当たりが強くなっている。難民・移民の大量流入に悩まされる欧州では、6カ国の国民の6割超が否定的な見方を示しており、テロ懸念の高まりにもつながっている。調査機関イプソスMORIが11日公表した最新調査で、このような傾向が明らかになった。
イプソスMORIは6月24日から7月8日にかけて、世界22カ国の1万6,040人を対象にインターネット調査を実施。それによると、全体の78%が「過去5年間で移民流入数が増えたと感じる」と回答。欧州では特にドイツ(93%)、スウェーデン(94%)、トルコ(96%)で顕著だった。
「移民流入は自国に悪影響を及ぼす」と感じるのは全体で45%。トルコは81%に達し、欧州ではこれにイタリア(67%)、ハンガリー、ロシア(共に63%)、フランス、ベルギー(共に62%)が続く。ドイツでは50%に上り、対人口比率での難民受入数が欧州連合(EU)加盟国中で最も多いスウェーデンも48%と半数近くを占めた。一方、EU離脱を決めた英国は38%にとどまっている。
「難民を装ってテロリストが入国する」と懸念するのは全体の60%に上った。特に多かったのはトルコ(83%)、ロシア(77%)、ハンガリー(73%)、ドイツ(71%)で、連続テロに見舞われたフランスも67%を占めた。また、トルコは63%、ハンガリーは55%が、難民に対して国境を閉鎖すべきとしている。
難民の受け入れに積極的なドイツでは、「移民は自国経済にとって良い」と考える人は26%にとどまった。逆に良くないと考える人は38%で、トルコでは68%に上る。ハンガリーでは63%に達し、イタリア(54%)、フランス(53%)でも高かった。
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