ベルリンの行政裁判所は9日、同市の民泊規制法について、別荘保有者の権利侵害に当たるとの判断を下した。同法をめぐっては5月の施行以来、宿泊サイトや市民が提訴に踏み切っているが、裁判所がこうした訴えを認めたのは初めて。AFP通信などが伝えた。
ベルリンでは住宅不足とそれに伴う家賃上昇が社会問題となっている半面、宿泊業者の認可を持たない個人が米エアビーアンドビー(Airbnb)や独同業ウィムドゥ(Wimdu)などを通じて自宅や別荘を有料で貸し出す行為がこれを加速させている。同市の家賃は2009~2014年の5年間に56%上昇。市当局によると、約1万2,000件の住宅が民泊目的で利用されているという。
民泊規制法では自宅や別荘を貸し出すには許可が必要となるが、そのためには住宅そのものを宿泊向けに改装し、住居として使用できないようにするなど、厳しい規定をクリアしなければならない。違反者には最大10万ユーロの罰金が科される。
今回、勝訴した3人の原告はそれぞれ独北部ロストックとデンマーク、イタリアに居住しており、ベルリンには別荘を保有。行政裁判所は、保有者が滞在しない間、別荘を他人に貸し出す権利があるとの訴えを支持した。ただ同裁は7月、ベルリンに自宅を持つ4人による訴訟は却下しており、自宅をそのまま貸し出すことは依然として認められていない。
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