米検索エンジン大手グーグルは、地図情報サービス「グーグルマップ」でクリミアの地名を従来のロシア由来のものに再変更した。ウクライナで施行された新法に沿って一度は非ロシア的な名称に変えたが、ロシア政府からの抗議を受け、わずか1日で元の地名に戻した形。キエフ・ポストなどが報じた。
ウクライナでは5月、旧ソビエト連邦時代を象徴するものの公共使用を禁じる法案が議会を通過。これに伴い、国内の地名からロシア的な要素を取り除くため改称が行われた。例えば、ウクライナの革命家グリゴリー・ペトロフスキーにちなんで名付けられたドニプロペトロウシク(Dnipropetrovsk)は、ドニプロという名前に変わっている。
ウクライナ政府はクリミアについても新しい地名を定めた。グーグルはこれを受け、7月末にクリミアの約900カ所の地名を新しいものに変更。だがロシア側が猛反発したため、翌日には従来の地名に再変更していた。
クリミアは2014年以来、ロシアが実効支配している。ただ国際社会はこの動きを受け入れておらず、クリミアをロシア領と認めているのは北朝鮮、キューバ、シリア、ベネズエラなど少数の国々にとどまる。なお、検索エンジンでロシア最大手のヤンデックス(Yandex)はロシア語版の「Yandex.ru」ではクリミアをロシア領として表示する一方、ウクライナ語版の「Yandex.ua」ではウクライナ領としている。
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