7月15日にトルコで発生したクーデター未遂による経済的損失は、少なくとも3,000億リラ(1,000億ドル)に上るもようだ。トゥフェンクチ税関・貿易相が2日、記者会見で明らかにした。現地英字紙ホリエット(Hurriyet)・デイリー・ニュース電子版などが伝えた。
試算額は軍用機や兵器、建物などの損害に基づくものだが、詳細に調べれば実際の損失額はこれを上回る可能性が高いという。また国外からの受注や投資が滞ることで、中期的な損失も考えられる。
ただし同相は、トルコが経済に対する影響を最小限に抑えることに成功したと指摘。クーデター未遂の発生後、週明けの18日には金融市場が通常通りに機能した上、金利が急上昇することもなく株価や為替相場の下落も限定的だったとして、経済成長見通しを修正する必要もないと説明している。
トルコではテロ事件の発生やロシアとの関係悪化などで同国を訪れる外国人観光客が減り、6月には1年前に比べて40.9%減少。政府が公務員の年次休暇を停止したため、これが観光業にさらに打撃を与える可能性がある。ただ政府は、ロシアとの関係改善などもあり、今後は観光客数が回復すると予想している。
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