国王のフェリペ6世は7月28日、6月末のやり直し総選挙で第1党を維持した国民党(PP)を率いるラホイ暫定首相に組閣を要請した。ただラホイ氏は、野党が協力を拒み続ければ失敗に終わる可能性を示唆しており、依然として不透明な状況が続く。BBC電子版などが29日報じた。
下院(定数350)のやり直し総選挙では、PPが昨年12月の前回選挙より14議席増やして137議席を獲得したものの単独過半数には届かなかった。前回選挙に続いて、PPのほか社会労働党(PSOE)と極左政党ポデモス(Podemos)、中道の新党シウダダノス(Ciudadanos)の主要4党で議席を分けあう結果となっている。
ラホイ氏はPSOEやシウダダノスに協力を求めているが、野党はいずれもPPを支援しない方針を明らかにしている。ラホイ氏は連立協議に全力を注ぐ意欲を示したが、議会で新政権の信任投票を実施する日程は明示しなかった。ただ、政権を樹立できなければ来年の予算案もまとめられず、欧州委員会に期限の10月半ばまでに財政赤字の削減策を提出できないと警告している。
前回はPPが連立の取りまとめに失敗。このため国王はPSOEに組閣を要請したが、こちらも交渉が不調に終わったため再選挙が行われた。
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