ロンドン・ヒースロー空港では、欧州経済領域(EEA)外の国からの訪問者に対する入国審査の待ち時間の目標が2カ月連続で達成されていない。同空港を運営するヒースロー(旧BAA)が公表したデータで明らかになった。
内務省はヒースローでの入国審査の待ち時間について、EEA内からの訪問者は25分以内、EEA外は45分以内との目安を設定。空港利用者の旅券審査の95%以上をこの時間内に処理する目標を掲げる。EEA内からの訪問者は5月、6月ともに99%以上が25分以内に審査を終えたが、EEA外からの訪問者の達成率は両月ともに目標を下回った。特に観光客の増える6月は、待ち時間が45分以内に収まった利用者の割合は、第2ターミナルが89.35%、第3ターミナルが91.25%、第4ターミナルが93.29%、第5ターミナルが94.12%にとどまっている。
待ち時間の長期化は、観光客の増加やテロ防止に向けた入国審査の強化に加え、旅券審査に当たる国境庁の職員の不足も一因となっている。同庁の職員は2015年3月には8,153人だったが、今年4月には7,651人に減っている。
ヒースロー空港の広報担当者は事態を受け、待ち時間の短縮に向けた施策を国境庁と協議していると説明した上で、「厳格な国境管理のために空港利用者の利便性が犠牲になってはならない」と話している。
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