仏南東部ニースで14日午後10時半ごろ(現地時間)、海岸沿いの遊歩道の群衆にトラックが突入し、少なくとも84人が死亡した。運転手は銃を乱射後に警官に射殺された。当局はテロの可能性が高いとみて捜査を続けている。事件を受け、オランド大統領は緊急事態宣言を3カ月延長するほか、16日から3日間の国喪を決定した。AFP通信が伝えた。
この日はフランス革命記念日で、遊歩道は花火を楽しむ人でにぎわっていた。犯人は19トントラックで遊歩道に突入し、2キロにわたってジグザグ走行を続けた後、トラックを止めて銃を乱射した。当局によると、けが人は15日時点で202人。うち52人が重傷で、25人が集中治療室に入っている。
当局は犯人をモアメド・ラウエジュ・ブレルと特定。ニースに住む31歳のチュニジア人で、以前から軽犯罪などで当局に顔を知られていた。犯行に使われた車両は数日前にレンタルされたもので、車内からは拳銃のほか、レプリカのライフルや手りゅう弾が見つかった。
オランド大統領はこの日、昨年11月のパリ同時テロを受けて発令した緊急事態宣言を26日をもって解除すると発表したばかりだった。現時点で犯行声明は出ていないが、同大統領は「テロリストによる犯行」と明言。「フランス国民を害する者への攻撃を続ける」と述べ、シリアとイラクで行っているイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する戦闘を強化することを示唆した。
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