地中海西部のバレアレス海に浮かぶマヨルカ島の人気が急上昇している。今年は、島の人口を10倍近く上回る過去最高の1,000万人超が訪れる見通しだ。AFP通信が伝えた。
マヨルカ島は経済の約8割を観光業に依存する。ビーチリゾートとして根強い人気を誇り、特に英国やドイツからの観光客が多い。
ドイツの高級不動産会社エンゲル&フェルカース(Engel & Voelkers)によると、同島の不動産購入者の4割は外国人。不動産価格や賃貸料は高騰し続け、サンタ・カタリーナ(Santa Catalina)地区では2ベッドルームのアパートの家賃が1カ月当たり700ユーロに上るという。これは、島で働くウエーターの平均月給(1,100~1,200ユーロ)の約6割に当たる。
同島を含むバレアレス諸島自治州政府は観光客の増加を好機と捉え、7月から宿泊客に最大2ユーロの観光税を課税。年間6,000万ユーロの収入を見込んでいる。
一方、地元住民の不満もくすぶっている。最大都市パルマ(Palma)では4月、「観光客は帰れ、難民は歓迎」などと、住民の本音を表現する落書きが相次いで現れ、市の職員が除去に追われる事態となった。
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