欧州連合(EU)離脱が決まった英国で8日、国民投票で敗れた残留派をターゲットとする週刊紙「ニュー・ヨーロピアン」がお目見えする。地方新聞社のアーチャント(Archant)が4日明らかにした。
「ニュー・ヨーロピアン」は、まずは4週間の期間限定で、数十万部を発行する。価格は1部2ポンド。販売地域は、先の投票で残留派が優勢だったロンドン、イングランド南部、マンチェスター、リバプールに絞る。発行を継続するかどうかの判断は、この期間の売り上げを見た上で下すとしている。
アーチャントによると、対象となる読者層は「失望し権利を奪われた」残留派。コンテンツ責任者であるマット・ケリー氏は、ブレグジットを支持しなかった1,600万人のいら立ちを代弁することを創刊の目的に掲げる。ただ紙面は政治に偏りすぎることなく、欧州の文化、スポーツ、ビジネス、観光、アートなども取り上げ、その魅力に迫るとしている。
なお、英国では大衆紙デイリー・ミラーなどを発行するトリニティ・ミラーが2月、全国紙「ニューデー(The New Day)」を創刊したが、採算性を確保できず、10週間で廃止に追い込まれた。長期にわたる発行部数の低迷に苦しむ新聞産業だが、今回の国民投票への関心の高まりを背景に、ここ10日間の発行部数は増加している。
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