2023/01/24(火)
第294回 海外赴任者の健康のために会社ができること
倉内さん:みらい先生、こんにちは。わたしの会社は比較的大人数の赴任者を海外に派遣しているのですが、海外赴任者の健康管理について難しさを感じています。
みらい:こんにちは、倉内さん。特に最近は赴任先の国によって新型コロナウイルス対策の方針が異なることもあって、海外赴任者の健康管理は大変ですよね。
倉内さん:そうなんです。海外赴任者については、各国の事情や個人の健康状態を把握するのが難しくて、国内の社員以上に対応に悩みます。実際に体調不良になってしまった時の想定も含め、何か準備しておくべきことはありますでしょうか?
みらい:そうですね。新型コロナ対策と同様に、医療機関の事情も各国で異なります。医療の質や、予約の取りやすさ、治療費の負担、言語コミュニケーションの問題など、課題はさまざまです。
もしもの時に備えて、診療までの流れや費用負担の有無などについて、赴任前にご本人と情報を共有しておいてください。また、海外旅行保険会社とも連携しながら、日本語の通じる病院や保険を利用できる病院の情報を集めておくことや、特にお子さんを連れて家族で赴任している場合などは、小児科対応がある病院の情報も収集しておくと良いでしょう。
倉内さん:なるほど。事前の情報収集と共有が肝要なのですね。実際に医療機関を利用した場合は、本社は何をすべきでしょうか?
みらい:赴任先で医療機関で受診した場合、まずは海外旅行保険を使うことになります。そのときの対応について、保険会社と連携していただければと思います。加えて、治療内容によっては日本の健康保険の療養費の請求ができることがあります。申請に必要な書類等をご本人に伝えて、手続きができる体制をつくっておきましょう。