2021/09/28(火)

第278回 非居住者が役員昇格時に受け取る退職金への課税について

足立さん:みらい先生、こんにちは。タイに赴任して来月で2年がたちます。今後もタイ勤務は続きますが、来月の株主総会で、役員(日本の親会社の取締役)に選任されることが先日の取締役会で決定しました。

みらい:足立さん、おめでとうございます。入社何年での役員昇格ですか?

足立さん:入社して12年です。日本で10年、タイで2年です。弊社では、使用人から役員へ昇格する際に、その時点で、使用人期間分の退職金が支給されるのですが、何か気をつけることはありますか?

みらい:いわゆる打切支給による退職金に該当すると考えられますが、足立さんのように、「非居住者」として受け取る場合には注意が必要です。

足立さん:どういうことでしょうか?

みらい:「非居住者」として受け取る退職金のうち、日本での勤務に相当する部分(国内源泉所得)について、一律20.42%の税率で日本において源泉徴収されます。仮に退職金が600万円とすると、この場合の源泉徴収税額は約102万円となります。


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