2019/06/25(火)

第251回 日本企業から受取る配当金について

栗原さん:みらい先生、ご報告があります。この度、2年間シンガポールに赴任することになりました。

みらい:グローバルに活躍したいとおっしゃっていた念願がかないましたね。

栗原さん:はい。そこで、ご相談したいことがございます。私は日本企業の株式を所有しており、毎年配当金を受け取っていますが、この配当金にかかる税金について、海外赴任中の取扱いはどうなりますか?

みらい:日本での配当金にかかる所得税率は上場株式と非上場株式で異なります。上場会社等の配当金(大口個人株主が内国法人から支払いを受けるものを除く)に対する源泉徴収税率は20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)ですが、非居住者の場合住民税は課されませんので、15.315%となります。また、非上場会社等の配当金に対する源泉徴収税率は20.42%で住民税はありません。

栗原さん:昨年までは確定申告をしていたのですが、今年はどうなるのでしょうか。

みらい:居住者の場合、配当所得にかかる所得税は、原則として確定申告の対象とされます(総合課税)が、一定の要件を満たす場合には確定申告不要制度を選択することができます。総合課税の場合は、他の所得と配当所得を合計して税額を計算するのですが、「配当控除」という税額の減額を受けることができます。その結果、税金の還付を受けられる可能性があります。確定申告不要制度は、一定の配当所得については、納税者の判断により確定申告しなくてもよいという制度です。こちらは源泉徴収だけで納税手続きが完結しますので、栗原さんは何もしなくて良いです。


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