NNAカンパサール

アジア経済を視る January, 2021, No.72

【マレーシア】
エアアジア音楽配信に参入
世界の「Aポップ」目指す

音楽レーベル「レッドレコーズ」の立ち上げを発表したエアアジア・グループのフェルナンデスCEO(左から5人目)とユニバーサル・ミュージック・グループのカルビン・ウォンCEO(東南アジア部門、同4人目)、レーベルの第1号アーティストとなるタイの女性歌手ヤンニーンさん(同6人目)ら=2019年12月6日、クアラルンプール(エアアジア・グループ提供)

音楽レーベル「レッドレコーズ」の立ち上げを発表したエアアジア・グループのフェルナンデスCEO(左から5人目)とユニバーサル・ミュージック・グループのカルビン・ウォンCEO(東南アジア部門、同4人目)、レーベルの第1号アーティストとなるタイの女性歌手ヤンニーンさん(同6人目)ら=2019年12月6日、クアラルンプール(エアアジア・グループ提供)

マレーシアの格安航空会社(LCC)大手、エアアジア・グループは、米音楽大手ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)との折半出資で音楽レーベル「レッドレコーズ」を立ち上げると発表した。

音楽事業に参入することで収益源を多角化する。航空市場で主戦場となるアジアのアーティストを発掘し、エアアジア発の音楽ジャンルとして「Aポップ」の地位確立を目指す。非航空部門が売り上げ全体に占める割合を5年以内に現状の2割から6割に引き上げる考えだ。

エアアジア・グループのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、「アジアのポップカルチャーに革命を起こす。世界で通用するAポップを生み出す。音楽事業への参入を機に、航空会社から、旅行とライフスタイルのデジタル化事業における世界のリーダーへ転換を図る」と意気込んだ。

レッドレコーズはUMGのノウハウを活用し、音楽市場でアジアの地位を高める。アーティストの発掘に力を入れるほか、レコーディングや音楽コンテンツの作成、エンターテインメント分野全般でのマネジメントやエージェントサービスなども手掛ける。

エアアジア・グループはUMGとの予備契約締結とともに新レーベル第1号アーティストを発表。会員制交流サイト(SNS)で影響力を持つタイの女性歌手、ヤンニーン・ワイゲルさんに白羽の矢を立てた。

ヤンニーンさんの公式ユーチューブには330万人が登録し、再生回数は累計6億回を超える。フェイスブックとインスタグラムの登録者数はそれぞれ320万人、150万人。ソーシャルメディアを駆使するフェルナンデスCEOは、デジタル化を事業展開の柱に据えており、インフルエンサーとしての相乗効果にも期待を寄せる。

(2019年12月9日 NNA POWER ASIAマレーシア版より)

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