【インド】
インド初の国産米菓
「柿の種」全土発売
インド版・柿の種「カリカリ」。味は4種で「ソルト&ペッパー」が一番人気=2020年1月8日、インド・ニューデリー(NNA撮影)
亀田製菓とインドのコメ販売最大手LTフーズは、インド版・柿の種「KARI KARI(カリカリ)」を42都市で発売すると発表した。
「日本発の高級スナック菓子」「油不使用のヘルシースナック」「初のインド産米菓」などを売りに、来年度(2020年4月~21年3月)にまず売上高1億ルピー(約1億5,100万円)を目指す。
味は「スパイス・マニア」「ソルト&ペッパー」「ワサビ」「チリ・ガーリック」の4種類。60グラム入りを50ルピー、135グラム入りを99ルピーで販売する。
亀田製菓の海外担当マネジャーで、LTフーズとの合弁会社ダワット・カメダの取締役を務める河野純氏によると、試験販売と並行してインド人消費者を集めた試食会を何度も開催し、柿の種の大きさや柿の種とピーナツの割合、食感、味の仕様を決定した。
「インド人の舌に合わせて辛め、濃いめのシーズニング(調味)にかなりこだわった。割合は、65対35(ピーナツが35)が一番しっくりするとの結論に至った」と河野氏。
さらに、「インド人はクランチーな(カリッとした)食感を好む」ため、柿の種は日本よりも大きく硬めに、食べたときに「カリッ」と大きな音が出るよう、生地を厚くした。
カリカリが狙うのは、インドの「高級・健康志向のスナック菓子市場」だ。市場規模は90億~100億ルピーで、スナック市場全体(約3,000億ルピー)に占める割合は約3~3.3%とわずかだが、年率22~25%の高い成長率を誇る。
製造は合弁会社が担い、北部ハリヤナ州に設けた工場を19年11月に正式稼働した。小売り大手フューチャー・グループの「フード・ホール」や「ビッグバザール」をはじめとするスーパーマーケットを中心に2,200店舗で販売。オンラインでは米インターネット通販大手アマゾン・コムを通じた販売を開始した。
21年には、インドの食品販売で大きなウエートを占める「キラナ」(零細商店)での流通を狙う。インドから中東やスリランカ、バングラデシュなど周辺国への輸出開始も見据えている。
河野氏は「カリカリは、インド産のコメを使ってインドで生産された初の米菓。ノンフライでトランス脂肪酸も含まれておらず、ヘルシーだ。20~30代で旅行などによく出かける社交的な層を主なターゲットとして、競合のシェアを奪うのではなく新しい市場を生み出していきたい」と意気込んだ。
(2020年1月9日 NNA POWER ASIAインド版より)