【新企画:業界ベンチマーク】
開業や営業再開が本格化
~商業・サービス業~
業種業界には、それぞれ固有の産業トレンドがある。重要な話題を「業界視点」でベンチマークしていく新企画。1回目は、コロナ規制の緩和傾向を受け、新規開業や営業再開が本格化し始めた小売りや外食など「商業・サービス業」の動向をレコメンドする。
NNA撮影
中国
マツキヨ香港1号店が開業
3年越しの進出、5年で30店舗へ
ドラッグストアチェーン大手「マツモトキヨシ」を展開するマツキヨココカラ&カンパニーは11日、香港の九龍地区・観塘で香港1号店をオープンした。2019年の進出発表から、新型コロナウイルス禍の混乱を経て3年越しで開業に至った。香港初上陸の化粧品やサプリメントをはじめとする品ぞろえ、地場競合とは異なる店舗設計で差別化を図り、香港の消費者を取り込む。香港法人、松本清香港の林保範董事長は「5年で30店を出店する」と意気込んだ。(5月12日付)
NNA撮影
台湾
中小規模店のDX進む
官民が支援、コロナ後も継続へ
台湾の中小規模店のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している。新型コロナウイルスの感染拡大を一つのきっかけとして、業務の効率化など店舗運営のあり方を見直す業者が増えたことが背景にある。政府や企業が積極的に支援策を展開する中、DXは単なるコロナ対策ではなく、今後の経営に欠かすことのできないものとなりつつある。(3月15日付)
台湾
鶏卵卸値が過去最高更新
品薄も継続
台湾の鶏卵約600グラム当たりの卸値が18日から50台湾元(約218円)となり、過去最高を更新したことが分かった。鳥インフルエンザの流行に伴う鶏卵の供給不足と飼料価格の高騰が続いているためで、小売価格は600グラム当たり70元近くに迫っている。(4月20日付)
韓国
ロッテ百貨店が再編
主要8店舗に集中投資
韓国小売り大手のロッテショッピングが、国内に32店舗あるロッテ百貨店の大々的な再編に乗り出すことが分かった。売り上げ上位の8店舗についてはリニューアルするなど投資を拡大する一方、地方の一部店舗は用途変更などを検討する。(4月14日付)
NNA撮影
タイ
6月からバー・パブなど解禁
2年ぶり、経済正常化へまた一歩
2年以上にわたって静まりかえってきたタイの歓楽街にようやくネオンが灯ることになった。タイ政府は20日、新型コロナウイルス感染症対策として営業を禁止してきたバーやパブ、カラオケ店などについて、首都バンコクなど全国31都県で6月1日から解禁することを決めた。新規感染者が減少基調にあることを受けた措置。外国人観光客などからの外貨獲得の役割を担ってきた歓楽街の営業再開によって、タイ経済の正常化がまた一歩前進する。(5月23日付)
セントラル・リテール・ベトナム提供
ベトナム
タイ小売大手が出店戦略加速
地方に大型店、ブランド刷新急ぐ
タイの流通大手セントラル・グループの小売事業統括会社セントラル・リテール・コーポレーション(CRC)は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けてやや遅れが出ていたベトナムでのショッピングモールやスーパーマーケットなどの出店計画を加速させる。2022年は地方でのモール開業を含めて14店を開設する。同社は郊外の大型店事業では「後発組」だが、既存店舗のブランド刷新や電子商取引(EC)と実店舗の融合の強化により差別化を図る。(3月9日付)
コピ・クナンガン提供
インドネシア
飲食業で初のユニコーン
コピ・クナンガン、1000店目標
2021年末に東南アジアの飲食業として初めてのユニコーン企業(企業価値が高い新興企業)となったインドネシアのコーヒーチェーン、コピ・クナンガン。ベーカリーやフライドチキンなどの新業態も立ち上げ、22年は店舗数を前年から約7割増やして1,000店舗を目指す。世界有数のコーヒー豆生産国インドネシアのコーヒーチェーンをアピールして海外進出を果たし、事業展開を加速させる計画だ。(3月14日付)
アンタラ通信
インドネシア
22~24年にモール11軒が
新規開業、首都圏で
インドネシアのジャカルタ首都圏で、2022~24年に11軒のショッピングモールが新規オープンする予定だ。米系不動産総合サービス会社コリアーズ・インターナショナル・インドネシアと英系不動産サービス大手ナイトフランク・インドネシアによると、不動産開発大手リッポー・カラワチなどが建設を進めている。(4月21日付)
NNA撮影
シンガポール
海外初の3ブランド同時出店
大創産業、幅広い顧客層に訴求へ
100円均一ショップ「ダイソー」を運営する大創産業(広島県東広島市)は25日、シンガポール西部の商業施設で3ブランドを同時オープンする。100円ショップの「ダイソー」、デザイン性や品質の高い商品を扱う「スリーピー」「スタンダードプロダクツ・バイ・ダイソー」で、グローバル旗艦店となる。3ブランドの同時出店は海外で初めて。幅広い顧客層の取り込みを狙う。(5月24日付)
NNA撮影
シンガポール
印刷サービスの需要取り込む
日系アクセア、新業態参入も計画
オンデマンド印刷サービスなどを手掛ける日系アクセア・シンガポールは、新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた印刷需要の取り込みを進めている。感染対策が先ごろ大幅に緩和されたのに伴い、足元で展示会用資料などの印刷注文が増加。デジタル化の流れを受け、文書電子化の需要も拡大した。今後はコワーキングスペース(共用オフィス)を備えたカフェや、企業同士の交流を促すビジネスマッチングなど新業態への参入も計画している。(5月19日付)
NNA撮影
マレーシア
小売売上高、5千億リンギ目標
「開国」でコロナ前水準に回復か
マレーシア政府は消費刺激策を通じて、今年通年の小売売上高を5,000億リンギ(約15兆円)にすることを目指す。今月1日に新型コロナウイルス対策として実施していた入国制限を撤廃したことで、隣国シンガポールを中心とした海外からの旅行者による消費も活発化し、小売売上高はコロナ前に近い水準まで回復すると見込んでいる。(4月21日付)
NNA撮影
フィリピン
外食3社、2年ぶり黒字
21年通期、コロナ規制緩む
フィリピンの外食大手3社の2021年12月期連結決算が出そろい、3社とも2年ぶりに黒字転換した。新型コロナウイルス対策の外出・移動制限措置が緩和されたことで店内飲食が持ち直したほか、在宅時間の増加で根付いた持ち帰りや宅配が全体を押し上げた。各社の業績はコロナ発生前の水準に届いていないものの、制限緩和を追い風に今期は正常化を見込む。(4月26日付)
NNA
ミャンマー
物価上昇に歯止めかからず
低所得者層、家計切り詰め
ミャンマーで、2021年2月のクーデターによる混乱が長引き、生活必需品の物価上昇が続いている。国際機関などによる消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比の平均値で1桁台だが、実際に消費者が手にする生活必需品には倍近く値上がりしたものもあり、市民の感覚は大きく異なる。低所得者層の生活は苦しさを増し、家計の切り詰めが行われている。(3月1日付)
NNA撮影
インド
ホームセンター市場が急拡大
各社、設備投資や合弁設立を加速
インドのホームセンター市場が向こう4年間で4割近く拡大し、760億米ドル(約9兆6,100億円)に達する見通しだ。中でも耐久消費財や家電部門が市場規模の63%を占め、これら商品を扱う日系企業にも恩恵があるとみられる。メーカー各社は「高機能」「高効率」に焦点を定め、設備投資や合弁設立の動きを加速させている。(4月19日付)