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アジア本NOW
ビジネスパーソンにおすすめのアジア関連書籍を、新刊を中心に紹介。NNA編集スタッフが選んだ今号の本は、アジアを含む各国企業からの投資が相次ぐ、アフリカ市場に迫った経済書『超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図』(椿進著、東洋経済新報社)。
アフリカ 市場
超加速経済アフリカ
LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図
椿進著
アジア企業も参戦、成長市場の最前線レポート
副題の「LEAPFROG(リープフロッグ)」とは、かえる跳び、もしくは馬跳びのこと。新興国や途上国において、先進国が一歩ずつ進めてきた技術発展をぴょんと飛び越え、一気に最先端の技術やサービスに追いつく現象を指す。そんな実例あふれるアフリカ大陸の今を、分かりやすく解説したのが本書だ。
著者の椿進(つばき・すすむ)氏は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を経て2008年にアジアやアフリカなどの新興国に特化したコンサルティング企業を創業。新型コロナウイルス流行前は毎月のようにアフリカに渡り各地を視察するだけでなく、自らもルワンダで東京ドーム40個分の広さのナッツ農園を経営する、アフリカビジネスを知り尽くした人物だ。
大陸の大きさや人の若さといったアフリカ市場の高いポテンシャルを示すデータを盛り込みながら、日本よりはるかに進んでいるモバイルマネーのサービスや、急拡大しているヘルステック(ITを活用した医療サービス)など豊富な先進事例を紹介する。
中国が行っている大型投資の背景や、サムスンなど韓国企業のアグレッシブな進出ぶりについてもページを割いて詳しく解説。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げ、中国がアフリカ各地に深く入り込んでいる様には圧倒されるが(日本人約7,500人に対し、中国人は推定100万人が現地にいるとか)、「日本にもまだチャンスがある」と説き、成功のヒントを伝授する。
一般人宅の家庭訪問レポートや、アフリカ人の朗らかな人柄を伝えるコラムも掲載するなど、経済一辺倒でないのも本書の良さ。アフリカに関する知識をアップデートするのに最適な一冊だ。
『超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図』
- 椿進 著 東洋経済新報社
- 2021年6月10日発行 税込み1,980円
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※書籍の紹介文は各出版社の宣伝文から引用(原文ママ)。記載の発行日、発売日、価格(消費税込み)は紙版の情報
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