NNAカンパサール

アジア経済を視る September, 2021, No.80

駐在員のメンタルヘルス
コロナ禍でケア不可欠に

アジア各地で新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)や外出制限が続く中、仕事や生活に強いストレスを感じている日本人駐在員は少なくなく、「コロナ鬱(うつ)」になる懸念もある。感染予防だけでなく、メンタルヘルスへのケアも大切になっている。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。

新型コロナウイルス感染症患者と丁寧に会話をする医師。メンタルヘルスへのケアも課題になっている=8月19日、中国・河南省鄭州市の病院(新華社)

新型コロナウイルス感染症患者と丁寧に会話をする医師。メンタルヘルスへのケアも課題になっている=8月19日、中国・河南省鄭州市の病院(新華社)

韓国

コロナうつは早めの相談を
メンタル管理、日系駐在員に助言NNA POWER ASIA 2021年8月24日付

新型コロナウイルス感染症の警戒レベルで最高水準「4段階」が適用されている韓国の首都圏(ソウル市・京畿道・仁川市)。在宅勤務が増える中、孤独感など精神的な問題を抱える日系ビジネスマンも少なくない。社団法人韓国EAP(従業員援助プログラム)協会の顧問で、悩みやストレスを抱える日本人駐在員に長年向き合ってきた鄭相坤(チョン・サンゴン)氏は「コロナ鬱(うつ)と感じたら、専門家への早めの相談が大切」と助言する。


アジア

アジアの日系社員、精神不調増
パソナ調べNNA POWER ASIA 2021年8月12日付

アジアの日系企業の間で、精神的な不調を訴える従業員が増えていることが、パソナグループの調べで分かった。9カ国・地域の大半で、新型コロナウイルスの影響で精神的な不調を訴える従業員が増加していると答えた企業の割合が1割超となった。マレーシアが最も高く23%。これにタイの21%、シンガポールの14%が続いた。


ベトナム

第4波で「ストレス増加」54%
アデコ調査NNA POWER ASIA 2021年8月13日付

人材サービス世界大手アデコのベトナム法人アデコ・ベトナムの調査で、同国の新型コロナウイルスの感染第4波の広がりで「昨年よりストレスを感じる」と答えた人の割合が53.7%となった。各地の規制で在宅勤務を余儀なくされる人が多く、食材調達が難しくなっていることも不満の一因となっている。


台湾

在宅勤務、管理体制見直しを
協議書や健康ケア、長期化見据えNNA POWER ASIA 2021年7月2日付

新型コロナウイルス感染症の警戒レベル第3級(4段階のうち厳しい方から2番目)の度重なる延長で、企業の在宅勤務が長期化している。ただ他国・地域に比べると在宅勤務の経験が浅く、就業に関するルールを定めた協議書がないなど不完全な体制のまま進めている企業も少なくない。先の見えないコロナ禍で駐在員の心身の不調が増える恐れもあり、企業は次の一波の可能性も含め、改めて労務管理体制を整える必要がある。


マレーシア

社会人の7割
コロナで経済的な不安増大NNA POWER ASIA 2021年8月13日付

マレーシアの社会人の7割近くが、昨年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大により、経済的なストレスで仕事の効率に悪影響が出たと考えていることが分かった。


オーストラリア

〔ポッサムのつぶやき〕自殺相談急増
封鎖がメンタルヘルスに影響NNA POWER ASIA 2021年8月24日付

自殺防止支援の慈善団体ライフライン・オーストラリアへの電話相談件数が8月に入り急増している。1日当たり相談件数が最も多かった上位10日のうち、5日が8月に集中しているという。新型コロナウイルス流行を巡るロックダウン(都市封鎖)など各種規制によるメンタルヘルスへの影響の深刻さが浮き彫りになった。

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