東南アジアで都市封鎖再び
病床逼迫、邦人の帰国勧告も
東南アジア各国で新型コロナウイルス感染症が再流行している。ベトナムがロックダウン(都市封鎖)を再び導入し、タイがロックダウンを強化した。ミャンマーでは病床が逼迫(ひっぱく)して十分な治療が受けられない可能性もあるとして、日本国外務省は在留邦人に対し帰国勧告も出した。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。
首都圏の病床逼迫に対応するため、新型コロナ治療施設となったマレーシア国民大学(UKM)子ども医療センター(スランゴール州)で治療に当たる医療従事者ら(保健省のノル・ヒシャム・アブドラ保健局長の公式フェイスブックより)
ベトナム
都市封鎖、南部19省市に拡大
19日から、HCMも延長濃厚NNA POWER ASIA 2021年7月19日付
ベトナムのファム・ミン・チン首相は17日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く南部16省市に対して、首相指示16号(16/CT―TTg)に基づく最も厳格な社会隔離措置の実施を指示した。期間は19日午前0時から8月1日までの14日間。今月9日以降、16号指示が既に適用されているホーチミン市とドンナイ、ビンズオン両省を含む南部19省市全域が事実上のロックダウン(都市封鎖)に入る。製造業の生産なども大幅に制限されることになる。
タイ
あす20日から都市封鎖を強化
13都県に対象拡大、外出禁止令もNNA POWER ASIA 2021年7月19日付
タイ政府は18日に発行した官報で、あす20日から首都バンコクを含む13都県の「最高度厳格管理地域」での行動制限を厳格化すると発表した。13都県では不要の外出が禁止されるほか、公共交通機関の乗客は定員の50%を超えないなどの措置が盛り込まれる。各制限の詳細については言及されていないものの、プラユット首相は16日の声明で在宅勤務を義務化する可能性に言及している。
インドネシア
特別便、邦人希望者数を把握へ
日本大使館NNA POWER ASIA 2021年7月16日付
新型コロナウイルスの感染が急拡大しているインドネシアで、日本への帰国を希望する在留邦人のための特別便が来週半ば以降に運航される方向で調整が進められている。日本大使館は14日夜、在留邦人を対象に、搭乗を希望するかどうかの意向調査を始めた。まずは16日正午まで帰国希望者数の状況を把握する。航空料金や到着後の待機施設の利用料金などについては、航空会社がこれから詰めていく。
マレーシア
首都圏で公立病院の病床逼迫
医療従事者が悲鳴、変異株も懸念NNA POWER ASIA 2021年7月6日付
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないマレーシアの首都クアラルンプール周辺で、公立病院の病床が逼迫(ひっぱく)している。院内の様子を撮影した告発動画がソーシャルメディアに投稿されるなど、現場の医療従事者らが悲惨な現状を訴える声を上げ始めた。首都圏は人口が集中していることに加え、感染力の高い変異株の感染も確認されており、さらなる状況悪化が懸念される。
ミャンマー
ANAが8月に直行便3回
帰国検討を再勧告NNA POWER ASIA 2021年7月20日付
ミャンマーの最大都市ヤンゴンから成田への全日空(ANA)による航空便が8月6日、13日、20日に運航されることが決まった。在ミャンマー日本大使館が16日までに、在留邦人に宛てて通知した。大使館はまた、現地にいる日本人にANA便での帰国の可能性を検討するよう再び勧告した。
カンボジア
大使館「短期渡航の中止を」
邦人に隔離環境厳しく、昆虫食もNNA POWER ASIA 2021年7月6日付
カンボジアで新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、在カンボジア日本大使館が同国への短期渡航の計画を中止するよう、邦人に繰り返し呼び掛けている。医療機関の病床不足が懸念される中、感染者用隔離施設のインフラが十分ではないためだ。隔離経験者によると、施設は衛生環境が悪かったり、昆虫食が出されたりするケースもあるといい、日本人にとって同国での隔離は厳しさを極めるもようだ。
アジア
駐在員交代、半数が着任遅れ
ビザ審査厳しく、後任探し難航もNNA POWER ASIA 2021年7月13日付
NNAがアジアの日系企業駐在員らを対象に実施した調査では、2021年上半期(1~6月)における駐在員の交代人事の有無についても尋ねた。その結果、交代を実施した企業では「予定より遅れたが交代できた」との回答が48.2%と約半数を占めた。新型コロナウイルス感染症の影響で中国や東南アジアで査証(ビザ)の発給審査が厳しくなったことが遅れの主因とみられる。また各地で感染拡大や再流行が続く中、後任探しが難航するケースもあるようだ。
ASEAN
医療危機、邦人に高まる不安
東南ア、コロナ急拡大(上)NNA POWER ASIA 2021年7月21日付
東南アジアで新型コロナウイルスによる死者が急増している。域内10カ国では7月に2万2,000人を超え、前月を大幅に上回るペースで推移している。各地で爆発的な感染拡大が起きた結果、病床や医療従事者、医療用酸素などの不足が深刻化している。医療崩壊の瀬戸際に立たされている国では、在留邦人の帰国の動きが広がっている。
ASEAN
【4カ国緊急アンケート】ワクチン未接種、日系の半数
現地残留は「業務の都合」が大半NNA POWER ASIA 2021年7月23日付
新型コロナウイルス感染症が東南アジアで再び猛威を振るっていることで、日系企業の管理職や社員にとっては、本人や家族の退避やワクチン接種が大きな悩みの種となりつつある。NNAは19~21日、感染拡大が特に深刻化している東南アジア4カ国(インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア)で緊急アンケートを実施。ワクチン未接種は5割に達しているほか、退避しない人の大半が業務上の都合であるなど、苦しい状況が浮き彫りになった。