ミャンマーでクーデター
アジア各国企業も撤退の恐れ
国軍によるクーデターが発生したミャンマー。米国が経済制裁を発動したほか、外資企業が相次ぎ軍系企業との合弁解消や撤退の意向を示すなど、同国の投資環境は悪化する見通し。アジア各国からの投資で成長してきた同国経済にとっては、新型コロナウイルス禍とのダブルパンチとなりそうだ。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。
ミャンマー・ヤンゴン中心部のオフィス街を埋め尽くすデモ隊=2月17日(NNA撮影)
ミャンマー
政情不安、外資に影響広がる
関連銘柄の株価下落もNNA POWER ASIA 2021年2月18日付
ミャンマーの政情不安が、同国と取引のある海外の企業や、現地に進出する外資系企業の事業活動に影響を与え始めた。全国で発生する反国軍デモを背景に、政府機関の業務が滞り、貿易や物流に支障が出てきている。また、海外の証券市場ではミャンマーで事業を展開する企業の株価が、クーデターを機に低迷している。
タイ
対ミャンマー投資に政変の影
アマタ、工業団地の開発を減速NNA POWER ASIA 2021年2月4日付
ミャンマーで1日に起きた軍事クーデターが、タイ企業の同国への投資に影を落としている。工業団地開発大手アマタ・コーポレーションは3日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンで進めている工業団地の開発を遅らせると明らかにした。ミャンマーはタイの上場企業の最大の投資先となっているが、欧米諸国などが経済制裁を加えた場合や、ミャンマー経済が減速した場合、タイ企業の投資意欲にも影響が出てくる可能性がある。
シンガポール
シンガポール投資家
軍系との合弁から撤退NNA POWER ASIA 2021年2月11日付
ミャンマーのたばこメーカー大手、バージニア・タバコに間接出資するシンガポールの投資家が、同社から出資を引き揚げると発表した。バージニア・タバコは、シンガポール企業と国軍系複合企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)の合弁企業。国軍によるクーデターを受けて、国軍系企業と関係を持つ外資への圧力が高まっていた。
インドネシア
インドネシア外相
ミャンマー対応で域内外交を活発化NNA POWER ASIA 2021年2月18日付
インドネシアのルトノ外相は、軍事クーデターが発生したミャンマーへの対応で、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との「シャトル外交」を活発化させている。17日にはブルネイのエルワン第2外相らと会談。シンガポールも訪問する予定だ。ジャカルタ・ポストは16日、ルトノ外相がミャンマー情勢について「人々の安全が最優先され、民主主義への移行が継続することが重要だ」と指摘したと伝えた。米国のアントニー・ブリンケン国務長官、中国の王毅外相とも情勢を協議する意向を示した。
韓国
ミャンマークーデター
進出の韓国企業に緊張走るNNA POWER ASIA 2021年2月3日付
ミャンマーで1日発生したクーデターを受け、現地に進出する韓国企業にも緊張が走っている。各社は現地駐在員の安否確認や自宅待機などの対応に乗り出したが、事態が長引けば企業の投資計画などにも支障を来す恐れもありそうだ。
マレーシア
ミャンマーの投資環境
悪化の公算=専門家NNA POWER ASIA 2021年2月18日付
経済専門家らで構成するマレーシア経済協会(MEA)は16日、軍事クーデターが発生したミャンマーで事業展開するマレーシア企業の間で、撤退が相次ぐような事態は起きていないと報告した。ただ今後については、投資環境が悪化する可能性が高く、撤退を検討する企業も出かねないとしている。