NNAカンパサール

アジア経済を視る November, 2020, No.70

コロナ時代の食ビジネス
“ピンチはチャンス”で生き残れ

秋の訪れと共に、再び警戒感が強まってきた新型コロナウイルス感染症の流行。そんな中、アジア各地では食を取り巻く産業に変化が起こり始めている。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。

新型コロナ感染者数が世界第2位のインド。全土封鎖が段階的に解除され、店内でのサービスを再開した飲食店も=インド・ニューデリー(PTI)

新型コロナ感染者数が世界第2位のインド。全土封鎖が段階的に解除され、店内でのサービスを再開した飲食店も=インド・ニューデリー(PTI)

インド

テークアウトと配達に追い風
コロナで変化、店内飲食は苦戦NNA POWER ASIA 2020年9月30日付

新型コロナの流行を経てインドの外食産業に変化が起きている。ファストフード店では、売り上げにテークアウトが占める割合が飛躍的に増加。現地報道によると、テークアウトに重点を置いた新店舗を設置する企業も出始めた。フードデリバリー業界では、総取引額が新型コロナの流行前の85%超まで回復した。一方、飲食店での店内飲食は厳しい状況が続く。


タイ

コロナで高まる食の健康志向
首都に大型店、生産も拡大の動きNNA POWER ASIA 2020年10月12日付

新型コロナの世界的な流行が続く中、タイでは都市部を中心に消費者の食に対する健康志向が高まりつつある。国内の小売り大手はこうした需要を取り込もうと、健康に配慮した食品を取り扱う大型専門店を首都圏に開業。食品メーカーの間では、オーガニック食品やプラントベース(植物由来)食品、機能性食品・飲料などの生産拡大の動きが見られる。


韓国

巣ごもりで高まるコーヒー愛
カプセル式人気、輸入も過去最多NNA POWER ASIA 2020年10月6日付

韓国人はコーヒーが大好きだ。オフィス街にはコーヒー専門店が軒を連ね、テークアウトしたカップを片手に談笑して歩く会社員の姿を頻繁に目にする。新型コロナの流行で消費者心理が萎縮する中でも、韓国人のコーヒー愛は衰えない。オンラインでも関連商品の販売が伸び、自宅で高品質の味を楽しめるカプセル式コーヒーマシンが脚光を浴びている。コーヒーを割安で飲める「月額商品」も登場するなど、市場争奪戦は激しさを増すばかりだ。


シンガポール

日本物産展を完全オンライン化
ジェトロと高島屋、輸出増狙いNNA POWER ASIA 2020年10月12日付

日本貿易振興機構(ジェトロ)シンガポール事務所は、シンガポール高島屋と提携して日本産食材の新たな販促活動を展開する。シンガポール高島屋が催事場で開催している国内最大級の日本物産展を、今年は完全にオンライン化。生鮮食品や加工食品、酒類などを販売し、新型コロナの影響で高まっている内食需要を取り込むほか、日本産食品の輸出増につなげる。


ベトナム

すき家、コロナ禍も積極展開
経験とグループ力で逆境を克服NNA POWER ASIA 2020年9月28日付

ゼンショーホールディングスの牛丼チェーン「すき家」はベトナム出店を加速させる。今年7~9月もホーチミン市中心部レタントンなどに2店を出店しており、年内にもさらに数店舗増やす計画だ。新型コロナの拡大で飲食業界に吹く逆風は、経験とグループ力を生かして乗り切る。ベトナムの市場成長性は不変とみて、中長期を見据えた積極攻勢をかける。


台湾

飲食各社の売り上げ好調
9月としては過去最高もNNA POWER ASIA 2020年10月13日付

台湾の飲食各社が好調だ。韓国料理のチェーン店などを運営する豆府、レストランチェーンを手掛ける漢来美食(ハイライ・フーズ)の2社は、9月の売上高がそれぞれ同月の過去最高を記録した。今年の単月最高となった外食企業もあり、新型コロナの影響で落ち込んだ客足は戻りつつあるようだ。

出版物

各種ログイン