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【わたしの在宅ライフ】
マレーシア男性(54)の過ごし方
孫との触れ合い楽しみに
新型コロナウイルス感染防止のための外出規制や自粛、新たな生活様式が広まる中、アジアの市民は自宅でどう過ごしているのか。在宅時の一日のスケジュールのほか、利点や困り事、ストレス解消法などを紹介してもらった。
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マレーシア南部、シンガポールと国境を接するジョホールバル市在住のサム・チャーペンさん。日系自動車メーカーで20年以上働いてきたが4年前、旅行業界に転職。学生時代からの親友が営む旅行会社に勤務し、自国を訪れる外国人向けのツアー手配や運行を取り仕切っている。
今年3月、政府が活動制限令を出したことを受けて在宅勤務を開始した。今はオフィス勤務も条件付きで緩和されたが、毎週金曜の午前中のみ通勤し、在宅勤務を続けている。外国人観光客の入国を政府が許可せず、仕事量が著しく減少してしまったためだ。
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コロナ禍の中、無念の出来事があった。共に暮らした義母の逝去だ。平常時なら車で1時間のシンガポールに住む妻の兄弟たちが誰も入国できず、オンラインでの葬儀に参加するにとどまった。
一方、うれしい出来事もあった。今年生まれた初孫エイトン君の存在だ。平日はたいてい娘が孫を連れてやってくる。「孫の面倒を見るのが嬉しくて、可愛くてね」と顔をほころばせる。
月曜午前と金曜午後は決まって社長とゴルフに出掛け、健康管理とストレス発散を兼ねた楽しみになっている。
「キャディーなしで9ホール。2時間楽しんで26リンギ(約660円)くらい。安いでしょ。ジョホールのゴルフ場は気持ちよくて最高」(チャーペンさん)
事業の立て直しに頭を悩ませながらも、「今の生活スタイルは気に入っている」とチャーペンさん。公私とも大切な人々との絆の深まりを実感している証なのかもしれない。(文・写真=ライター・鈴木美鈴)
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孫のエイトン君と過ごすのが至福の時間(チャンさん提供)
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ジョホールには値段が安くて環境が良いゴルフ場がたくさんある。仲間との交流や健康管理に欠かせないスポーツだ(同)
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宅配のグラブフードで注文したチキンライス(同)
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間食のパンダンケーキ。パンダンリーフの葉エキスを用いた緑鮮やかなシフォンケーキで、当地ではポピュラー(同)