NNAカンパサール

アジア経済を視る July, 2020, No.66

観光は国内・域内で立て直せ
待たれる入境規制の緩和

新型コロナウイルス感染症の拡大により、外国人の入国規制や国際線の乗り入れ規制が続くなか、打撃を受けている観光業界が国内・域内観光で立て直そうとする動きが出ている。苦境脱出の糸口となるか。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。

活動制限令で観光客が激減し、人通りがまばらになったマレーシア・クアラルンプールの繁華街(NNA撮影)

活動制限令で観光客が激減し、人通りがまばらになったマレーシア・クアラルンプールの繁華街(NNA撮影)

マレーシア

国内観光奨励で業界立て直し
本格回復はインバウンド再開後NNA POWER ASIA 2020年6月10日付

マレーシア政府はきょう10日から、新型コロナウイルス感染症対策として実施してきた活動制限令を「回復期」に移行する。州をまたぐ移動を許可し、国内旅行を奨励することで、新型コロナによる打撃を最も受けた業界の一つである観光産業の立て直しを図る。ただ業界団体は、回復活動制限令が8月末に終了し、国境が開放されてインバウンド(外国人旅行者)受け入れを再開しても、本格的な業況回復は来年半ばになるとみている。


香港

観光交流再開へ機運高まる 政府が検討、「まずマカオから」NNA POWER ASIA 2020年6月11日付

新型コロナウイルスの感染拡大で止まった近隣国・地域との観光交流の再開に向けた機運が高まってきた。香港政府は、感染抑制に成功している国・地域との間で入境規制を緩和する仕組み「トラベル・バブル」構築の検討を始めた。旅客数の激減で厳しい事業環境にある地元観光業界は、まずはマカオとの間で観光客の往来を再開し、苦境脱却の糸口にしたい考えだ。


台湾

域内旅行、好景気の流れへ 航空便値下げ、金融業30億元投入NNA POWER ASIA 2020年6月8日付

新型コロナウイルス感染症により縮小していた域内旅行の需要は今後、複数の好材料が相まって、爆発的に拡大する見通しとなった。台湾の航空各社は近く2015年以降で初となる域内線の値下げに踏み切り、金融業は域内社員旅行を中心とする経済振興策に30億台湾元(約110億円)を投入する。7月からスタートする政府の旅行補助策も後押しし、台湾市民の旅行意欲は急速に高まっている。


中国

海南自由貿易港、計画発表 関税免除、法人税も15%にNNA POWER ASIA 2020年6月3日付

中国共産党中央と国務院(中央政府)は1日、海南省の「自由貿易港」建設に向けた全体計画を発表した。海外からの輸入製品を関税ゼロとするほか、企業所得税(法人税)を15%に引き下げるといった大胆な経済政策を適用する。優遇策は2025年までに一部で導入し、計画全体は35年までの実現を目指す。


タイ

新アウトレットが19日開業へ Sピワット合弁、国内消費を促進NNA POWER ASIA 2020年6月8日付

タイの商業施設開発・運営大手サイアム・ピワットと米国のアウトレット大手サイモン・プロパティー・グループの合弁会社サイアム・ピワット・サイモンは今月19日、首都バンコク東郊サムットプラカン県に同社初となるアウトレットモールを開業する。国内で新型コロナウイルス感染症の流行の第1波が収束しつつある中、消費を促進し経済の立て直しに寄与したい考え。スワンナプーム国際空港から近く、国際線旅客機の乗り入れ解禁後に外国人旅行者の誘致も図る。

出版物

各種ログイン