商業施設に活気戻るか
アジア各国で移動規制など緩和
新型コロナウイルス感染症の拡大により、外出・移動規制が3月から2カ月余りにわたって続いていたが、感染者の抑制が成功しつつあるアジア各国・地域で各種規制の緩和が進み、商業施設も再開し始めている。商業施設にかつての活気が戻るか。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。
衣料品店でショッピングする人たち=5月17日、マニラ首都圏マンダルヨン市(NNA撮影)
タイ
商業施設が2カ月ぶりに再開 制限緩和第2弾、入店人数は制限NNA POWER ASIA 2020年5月18日付
タイ政府が3月26日に発令した非常事態宣言に基づき制限している経済活動の緩和第2弾を決定したことを受け、ショッピングモールやコミュニティーモール、百貨店といった大型商業施設が17日に営業を再開した。首都バンコクでは、3月22日から大半の店舗が閉鎖されており、約2カ月ぶりの営業再開となった。営業時間は午後8時までで、商業施設の運営事業者は検温や消毒、入店人数の制限などを実施し、感染予防を徹底している。
フィリピン
一部商業施設、営業再開 客足まばら、感染拡大に警戒もNNA POWER ASIA 2020年5月18日付
フィリピンのマニラ首都圏で16日、一部商業施設が約2カ月ぶりに通常営業を再開した。政府が外出・移動制限措置を一部緩和したことで、スーパーマーケット以外の店舗も条件付きで営業が再開可能となったことが背景にある。ただ半数以上の店が閉まったままで、通常の客足にはほど遠い。衣料品店などでは密度が一時的に高まることもあり、政府は新型コロナウイルスの感染が再び拡大することを警戒している。
ミャンマー
事業規制が緩和、経済活性化と両立模索NNA POWER ASIA 2020年5月12日付
新型コロナウイルスの感染拡大が続くミャンマーで、一時はゴーストタウン化した都市部に人の波が戻り、外出自粛ムードが緩んでいる。11日からは車両登録を行う政府機関が業務を再開し、主要地方都市への高速バスも通常の4分の1程度の頻度で運行。現時点で感染爆発は回避されており、政府当局は経済活性化との両立を探っている。
ベトナム
消費市場の新常態、緩やかに
コロナで必需品デリバリー需要増NNA POWER ASIA 2020年5月8日付
新型コロナウイルス対策の社会隔離が緩和され、経済活動が再開したベトナムで、消費市場がどのように変わるのか??。他国と比べると影響が小さい分、変化の幅も緩やかとみる一方、「オンラインシフトの後押しとなる」と専門家。需要が増えた小売りの新サービスからは、ベトナム消費者の購買行動におけるコミュニケーションの重要性が見えてきた。
香港
労働節連休、飲食店に恵みの雨
市民外出、小売りに波及乏しくNNA POWER ASIA 2020年5月4日付
4月30日から始まった4日間の釈迦(しゃか)誕生日と労働節(メーデー)の連休期間中、香港では多くの市民が繁華街や離島に足を運んだ。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため人との接触を減らすよう呼び掛けられているが、連休前に新規感染者ゼロが続いたことで外出機運が高まったようだ。苦境の中にある飲食店には「恵みの雨」となったが、高額消費をけん引する中国本土客の激減で小売業への波及効果は乏しく、明暗が分かれたようだ。
シンガポール
理髪店が3週間ぶり営業再開
フル稼働は困難、業況厳しくNNA POWER ASIA 2020年5月18日付
シンガポール政府は、新型コロナウイルスの感染対策に伴う店舗の営業制限を段階的に解除している。今月12日には、約3週間ぶりに理髪店や美容院が営業を再開した。ただし提供できるサービスは散髪に限られる。安全な距離を保つために座席数を減らしている店舗がほとんどで、フル稼働には到底及ばない。新型コロナウイルスが終息するまでは、厳しい業況が続きそうだ。