NNAカンパサール

アジア経済を視る May, 2020, No.64

新型コロナ、航空業界に試練
ヴァージンは破綻

新型コロナウイルス対策としてアジア各国・地域が導入した入国規制や国際線乗り入れ禁止措置が、航空会社に大きな試練をもたらしている。急速に経営が悪化している航空各社では、給与削減のほかリストラなどにも着手するところも出てきそうだ。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。

マレーシアの格安航空会社(LCC)エアアジア・グループは3月下旬から大部分の国内外路線の運航を停止している=3月27日、クアラルンプール国際空港(新華社)

マレーシアの格安航空会社(LCC)エアアジア・グループは3月下旬から大部分の国内外路線の運航を停止している=3月27日、クアラルンプール国際空港(新華社)

韓国

経営危機のアシアナ、無給休暇を無期限延長NNA POWER ASIA 2020年4月20日付

韓国のフルサービスキャリア(FSC)大手、アシアナ航空は19日、新型コロナウイルス感染症の拡大による相次ぐ運休・減便で経営が悪化しているため、4月から実施中の無給休暇期間を5月以降も無期限で延長すると発表した。同社は今年2月、経営悪化を理由に全社員を対象に月間10日以上の無給休暇の取得制度を開始し、4月には期間を15日以上に拡大していた。


中国

航空業界、新型コロナで1Qに400億元損失NNA POWER ASIA 2020年3月4日付

中国民用航空局は15日の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で第1四半期(1~3月)の航空業界の損失が398億2,000万元(約6,040億円)に上ると明らかにした。このうち航空会社の赤字額は計336億2,000万元。企業への影響を軽減するため、同局は政府が管理する空港での空港使用料引き下げなどの支援策を急いでいる。


マレーシア

マレーシア航空、経営陣の給与35%カットNNA POWER ASIA 2020年4月15日付

経営難のマレーシア航空(MAB)は、経営コストの抑制に乗り出している。最高経営責任者(CEO)など経営陣の額面給与を今月から35%カットするほか、取締役が役員手当を自発的に50%減額する。MABの経営難は、新型コロナウイルスの感染拡大で、マレーシアを含む各国政府が移動制限を敷いているため、路線の運休が拡大し、さらに深刻化している。


タイ

タイ航空、20年の赤字920億円に拡大見通しNNA POWER ASIA 2020年4月14日付

タイのアジアプラス証券は、今年のタイ国際航空の損益が約280億バーツ(約924億円)の赤字になるとの予測を示した。航空産業の競争激化を背景に早期の黒字化は困難とみている。タイ航空は2017年に21億700万バーツの赤字となって以降、18年に116億2,500万バーツ、19年に120億4,200万バーツと3年連続で赤字額が拡大しているが、今年は新型コロナウイルス感染症の流行でさらに前年比2倍超に悪化する見込み。


インドネシア

航空各社、乗客減で貨物便にシフトNNA POWER ASIA 2020年4月17日付

インドネシアの航空各社は、新型コロナウイルスの感染拡大で定期旅客便の利用客が大幅に減っていることから、貨物便やチャーター便の運航を増やす方針を打ち出している。国営ガルーダ・インドネシア航空のイルファン社長は「定期便の有償座席利用率(ロードファクター)が低下しており、貨物便の取扱量拡大を検討している。物流会社に貨物機のチャーターを提案したい」と述べた。


オーストラリア

ヴァージン破綻、8週以内に売却先確定かNNA POWER ASIA 2020年4月22日付

航空会社ヴァージン・オーストラリアは21日、任意管理手続きに入ったと正式に発表した。管財人管理下で資本強化を図り「新型コロナウイルス収束後に再浮上したい」考え。新型コロナの拡大を背景に財務が急激に悪化していた中、連邦政府は同社の救済支援要請を拒否していた。管財人に指定された会計大手デロイトは、10社以上の企業が関心を示しており、向こう8週間程度で売却先を決めたいとしている。

出版物

各種ログイン