NNAカンパサール

アジア経済を視る September, 2019, No.56

アジアで活用進むAI
日本企業、人々の暮らしを便利で豊かに

ディープラーニング(深層学習)の開発により飛躍的に進歩したAI(人工知能)技術。いまやロボットなど一部の専門分野だけでなく医療や家電にまで浸透し、われわれの生活を豊かにしている。2045年には人工知能が人類を超えると予測される中、AIはアジアの経済社会にどんな変化をもたらすのか。日進月歩で成長するアジアのAIの最新記事をNNA POWER ASIAからセレクト。

セコムは、「インターポール・ワールド2019」で自律走行型巡回監視ロボットやバーチャル警備システムなどを展示・紹介した=7月3日、シンガポール湾岸部(NNA撮影)

セコムは、「インターポール・ワールド2019」で自律走行型巡回監視ロボットやバーチャル警備システムなどを展示・紹介した=7月3日、シンガポール湾岸部(NNA撮影)

シンガポール

セコム、東南アでロボット・VRの需要開拓 AI搭載の警備システムも販売NNA POWER ASIA 2019年7月5日付

警備大手セコムは、東南アジアでロボットやVR(仮想現実)など最先端技術を活用した警備システムの需要を開拓する。人手不足などで最新テクノロジーを駆使したセキュリティーサービスの導入が進むとみているためだ。最先端のセキュリティーシステムとしてはこのほか、今年4月に発表した、世界初という人工知能(AI)搭載の「バーチャル警備システム」の販売を見込む。大型ディスプレーに等身大の「仮想警備員」のキャラクターを映し出し、来訪者に自動で応答したり、不審人物を発見した場合は常駐警備員に報告したりすることができるという。


インド

ソフトバンク孫氏、日本のAI活用加速訴え 印企業の先進事例を紹介NNA POWER ASIA 2019年7月19日付

イベントで講演するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=7月18日、東京(NNA撮影)

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は7月18日、東京都内で開いた法人向けイベント「ソフトバンク・ワールド2019」で講演し、日本で人工知能(AI)技術の活用を加速する必要性を訴えた。

孫氏は、日本に有望なAIのユニコーン企業(評価額10億米ドル=約1,080億円以上の新興企業)がない現状を指摘。政府や知識人、ビジネスパーソンなどの意識改革を求めた。さらに孫氏は「AIはプレディクション(予測)に力を発揮する」と主張し、今後30年で100万倍に増えるとするインターネット上のデータの分析に、AIを最大限活用することが重要だと強調した。

講演では、AIを最大の武器として爆発的な成長を遂げる、出資先の海外企業4社を紹介した。うち2社はインド企業で、低価格ホテルチェーン大手のOYO(オヨ)は、AIを物件の選定やインテリアデザイン、価格決定、客室清掃のオペレーションに活用。経営の意思決定の迅速化、施設の稼働率や従業員の生産性の向上により、創業から6年で世界2位のホテルブランドに成長したという。


中国

トヨタが滴滴出行に6億ドル出資 AI活用のコネクテッドカー推進もNNA POWER ASIA 2019年7月26日付

調印式の様子(左から)滴滴出行のシュ・ケイシ上級副社長とトヨタの友山茂樹副社長(トヨタホームページより)

トヨタ自動車は7月25日、配車サービス「滴滴出行」の運営会社と、ライドシェア(相乗り)ドライバー向けに車両貸し出しなどのサービスを展開する合弁会社を設立すると発表した。今秋にも設立し、年内のサービス開始を目指す。トヨタは滴滴出行と合弁会社に計6億米ドル(約648億円)を出資する。また、滴滴出行の人工知能(AI)とトヨタの車両情報管理システム(MSPF)を活用したコネクテッドカー(つながる車)技術の推進でも協力を検討する。




ベトナム

バイタリフィ、不動産AIサービス 「反響倍増くん」開発NNA POWER ASIA 2019年8月1日付

出前アプリに関する消費者の被害申告が今年1~3月に急増したことが分かった。韓国消費者連盟によると、「1372消費者相談センター」に寄せられた出前アプリに関する被害申請件数は143件と、前年同期に比べて20%増えた。


台湾

産学官がAIチップに注力 連盟発足、世界シェア25%獲得へNNA POWER ASIA 2019年7月4日付

AIチップの産学官連盟が発足した。世界的にAIを巡る競争が激しくなる中、オール台湾で開発を本格化する=7月2日、台北(台湾経済部提供)

人工知能(AI)の処理を目的とした半導体「AIチップ」の開発に向けて、台湾の産学官が協力する。世界的にAIを巡る競争が激しくなる中、産学官の連盟を立ち上げ、オール台湾で開発を本格化する。資金を投入しながら開発を促し、4年後にはAIチップの世界シェア25%の獲得を目指す。








中国

緑地集団、張家港市でAI都市開発NNA POWER ASIA 2019年7月23日付

不動産開発大手の緑地控股集団(上海市、緑地集団)は7月20日、江蘇省張家港市政府と人工知能(AI)を活用した街づくりに向けた戦略的提携の枠組み協定を結んだ。AIや健康をテーマにした都市開発を進める。総投資額は1,000億元(約1兆5,700億円)を超える。


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