エチオピア街角スナップ
コーヒーの香りに会話も弾む
エチオピアはコーヒー発祥の地とされる。フルーティーな香りと酸味が強いのがエチオピア・コーヒーの特徴だ。家では気が合う者同士が、おしゃべりしながらゆっくり飲むのがエチオピア流。豆をいるところから始めて、いり終わったら豆を回して、まずみんなで香りを楽しむ。それから陶器のポットで20分ぐらい煮て、3回飲む。1煎目を「Abol(アボル)」、2煎目を「Tona(トナ)」、3煎目を「Baraka(バラカ)」と呼ぶ。会話が盛り上がれば、コーヒータイムが2~3時間続くこともある。(取材・写真=NNAインド編集部 天野友紀子)
エチオピアの人は毎日欠かさずコーヒーをたしなむ。アディスアベバの大通りにはイタリア式のコーヒーを出すカフェが、小道には煮出すタイプの伝統的なエチオピアコーヒーを出す露店が点在する。現地に暮らす日本人女性は「不便なことは多いけど、コーヒーがおいしいなぁとか、そういう小さな幸せをエチオピアでは感じることができる」と話す。アディスアベバの街中にはおしゃれなカフェやバー、アイスクリーム屋さんがどんどん増えているが、一番人気は1953年創業の老舗コーヒー店「TOMOCA」だという。
アディスアベバには南北に伸びるラインと東西に伸びるラインの2本のシティトレインがある。南北ラインで、午前9時過ぎにこれから仕事に出掛けるという男性2人組に聞くと、「今日は少し遅い時間を選んだからそんなに混んでいない。もう少し早い時間はかなり混む。8時ごろなんて激混みだよ」とのこと。切符を確認されることなく駅に入ることができ、乗車もできるので、無賃乗車が多そうだ。
アディスアベバには2軒の日本料理店がある。そのうちの1軒が日本人の奥さんとエチオピア人の旦那さん夫婦の経営する「さくら」。「鮭の照り焼き(ごはん付き)」が430ブル(約1,690円)。初めて来たというエチオピア人親子が、箸を上手に使って巻きずしを食べていた。女の子は、「NHK英語チャンネルで日本のアニメを見ている。いつか日本に行くのが夢」と話す。