高まるアジアの環境意識
新たなビジネスチャンスも
急速な経済成長が進むアジア。工業化やモータリゼーション、消費活動の活発化などが大気汚染や水質汚染といった環境問題を引き起こしている。それらは同時に、日系企業にとっては課題克服に向けたビジネスチャンスともなり得る。各国・地域の環境問題やその対策にスポットを当てた最新の記事をNNA POWER ASIAからセレクト。
バンコクで大気汚染が悪化 バイオ燃料利用促進、工場検査もNNA POWER ASIA 2019年1月17日付
タイ
タイの首都バンコクで煙害(ヘイズ)が悪化している。自動車の排気ガスや鉄道などの建設により発生する2.5マイクロメートル(ミクロン)以下の微小粒子状物質(PM2.5)が主な理由で、乾期で大気が滞留する中、天候によってはこの状態が3月上旬まで続くとの見方も出ている。プラユット首相は15日、運輸省などにバイオディーゼル燃料の使用を促すように指示。工業省は全国の工場で大気中に排出される汚染物質の数値を検査する計画を明らかにするなど、対策を強化している。
韓国家電に「新三種の神器」 大気汚染、空気洗浄が商機にNNA POWER ASIA 2019年1月30日付
韓国
韓国で微小粒子状物質「PM2.5」などによる大気汚染問題が深刻化する中、空気清浄機、乾燥機、ホームクリーニング機が新たな「三種の神器」として浮上している。空気清浄機は、かつて必需品だったテレビや冷蔵庫、洗濯機の販売台数を上回った。家電大手のLG電子とサムスン電子は、開発専門の研究所をそれぞれ開設。高性能な家電を求める消費者のニーズに応える構えだ。
海洋のプラごみに強まる懸念 「廃棄物が世界4位」の統計もNNA POWER ASIA 2019年2月15日付
ベトナム
ベトナム政府が、プラスチックごみの海洋投棄に危機感を募らせている。一部の統計では、ベトナムから出るプラごみが海洋投棄される量は、中国やインドネシアに続いて世界で4番目に多いとのデータもある。人件費が安いことで、かなりの量がリサイクルされているとの指摘がある一方で、事態の深刻化を防ぐためにはPR活動など地道な政策が主となり、即効性のある対策は難しいのが現状だ。
石炭比率が初めて6割下回る エネルギー消費、発電エコ化でNNA POWER ASIA 2019年1月25日付
中国
中国の一次エネルギー消費に占める石炭の割合が、2018年に初めて6割を下回ったことが分かった。大気汚染対策の強化を背景に、非化石エネルギーによる発電比率が拡大。政府は今後も太陽光や風力などの利用率を引き上げ、石炭消費を抑制していく方針だ。
マニラ湾の環境改善、違反は罰金1日42万円NNA POWER ASIA 2019年1月17日付
フィリピン
フィリピンの環境天然資源省は15日、環境汚染の改善計画を予定しているマニラ湾について、排水設備が未整備の周辺施設には営業停止命令を下し、1日当たり最大20万ペソ(約41万6,000円)の罰金を科すと明らかにした。同省は既に300軒近い施設の排水サンプルを採取している。地元メディア、ラップラーなどが伝えた。