NNAカンパサール

アジア経済を視る February, 2019, No.49

米中貿易摩擦のはざまで揺れるアジア

輸出減速で成長下押し、プラス面も

世界の貿易額で1位と2位を占める米国と中国による貿易摩擦の出口が見えない中、アジアで影響が顕在化しつつある。サプライチェーンを通じて米中両国に部材を供給する国・地域の成長を下押しする可能性がある一方で、制裁関税を回避するため、中国の対米輸出および米国の対中輸出がアジア各国に代替されるなどのプラス面を指摘する声もある。関連の最新記事を、NNA POWER ASIAからセレクト。

香港の葵青コンテナターミナル(NNA撮影)


アジア景況感、米中摩擦が影 楽観は中国1桁、印越で6割NNA POWER ASIA 2019年1月4日付

アジア

アジアに進出する日系企業の2019年の景況感は、18年に比べ総じて悪化した。東アジア、東南アジア、インドの3地域とも、景気が「良くなる」との回答割合が前年よりも低下し、「悪くなる」は上昇した。貿易を中心とした米中の摩擦が影を落とし、中国では「良くなる」の割合が1桁にとどまり、「悪くなる」が4割を超えた。全体としては景況感が悪化する一方、インドとベトナムでは「良くなる」が6割を超え、楽観的な見方が続いている。


18年の対米貿易黒字、17%拡大の3233億ドルNNA POWER ASIA 2019年1月15日付

中国

中国税関総署は14日、2018年の貿易統計を発表し、中国の対米貿易黒字が前年比17.2%拡大したことを明らかにした。貿易不均衡の是正を求める米国との摩擦が一段と激化することが懸念される。貿易全体の伸びが年末になって急激に失速したことも、今後に向けての不安材料だ。


使用禁止の中国製リスト公布へ 政府機関対象、ソフトやサービスもNNA POWER ASIA 2019年1月25日付

台湾

米国などが情報セキュリティー上の観点から中国の通信設備・機器大手、華為技術(ファーウェイ)などの中国製品の使用規制に乗り出す中、台湾行政院(内閣)のコラス・ヨタカ報道官は23日、政府機関での使用を禁じる中国企業のリストを3月にも公布する方針であることを明らかにした。対象企業にはソフトウエアやサービスを提供する企業のほか、医療など直接ITに関わらない業種の企業も含まれる見通し。リストの公布に先駆けて、今月末には政府機関に向けて中国製品を取り扱う上でのガイドラインを発表するという。


「19年は我慢の年に」 日系半導体関連企業、受注鈍化でNNA POWER ASIA 2019年1月25日付

韓国

2019年は我慢の年となりそうだ――。23日にソウル・江南の国際展示場COEXで開幕した半導体関連見本市「セミコンコリア2019」に参加した日系の半導体製造装置メーカーの関係者はこう口をそろえる。市況の悪化から韓国大手半導体メーカーが設備投資の速度調整に乗り出したことで、受注が鈍化しているためだ。過去最大となる469社が計2,037のブースを構え、初日から多くの人が訪れて活況を呈する見本市とは対照的に、関係者の表情は冴えない。


今年の経済見通し「曇り空」 総選挙や貿易摩擦など懸念多くNNA POWER ASIA 2019年1月9日付

タイ

今年のタイ経済は予測ができない「曇り空」──。ソムキット副首相は7日に首都バンコクで開催されたセミナー「タイランド・エコノミック・チャレンジズ2019」で、今年の経済見通しをこう表現した。不透明な選挙日程や米中貿易摩擦の影響、外的要因に左右される農産物価格など、先行きの予測が困難な要因が多く挙げられるためだ。政府は国内総生産(GDP)の7割を占める輸出の促進、東部を中心としたインフラ開発を柱に歩みを進める方針だ。


成長率、19年は6.6~6.7%に 「スマホの輸出依存」に危うさもNNA POWER ASIA 2019年1月7日付

ベトナム

ベトナムは2018年の経済成長率が7.08%と、07年以来の7%台を実現した。19年は世界経済の減速が予想され、米中貿易摩擦の影響も出始めるなど先行きに不透明感が増す中、ベトナムのマクロ経済を見る上で、注目すべきポイントは何か。3人の専門家に見通しを聞いた。成長率は6.6~6.7%となる一方、スマートフォン輸出に大きく依存する体質にはリスクがつきまとうとの指摘もあった。

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