ターゲットは中間所得層
活況、アジアのスーパーマーケット
中間所得層の増加により、消費拡大が見込まれるアジア市場。それに伴い、各企業はスーパーマーケットの新規出店を急ピッチで進めている。無人スーパーや買い物代行といった新サービスも続々と登場。活況を見せるスーパーマーケット市場の最新記事を、NNA POWER ASIAからセレクト。
客でにぎわうフィリピンのスーパーマーケット=ボホール州タグビララン(NNA撮影)
スーパー大手、上期決算は明暗 税制改革で既存店売り上げ堅調NNA POWER ASIA 2018年8月16日付
フィリピン
フィリピンの小売り大手5社の2018年上半期(1~6月)決算が出そろった。スーパーマーケットや百貨店を主力とする4社では、3社が増収増益、1社が減収減益と明暗が分かれた。メトロ・リテール・ストアズ・グループ(MRSGI)は、年初に起きた火事によりセブ市の店舗を一時閉鎖している影響が出た。年初に施行された税制改革法(TRAIN)による個人所得税の減税や経済成長による消費者の支出拡大に支えられ、MRSGIを含む各社の既存店の売り上げ伸び率(SSSG)は堅調だった。
財閥SM、小売店を5年で4割増の3千店にNNA POWER ASIA 2018年8月24日付
フィリピン
フィリピンの財閥SMグループ傘下の小売り大手SMリテールは、専門店を中心に店舗網を拡大している。経済成長を背景に消費者の購買力が高まっているためだ。向こう5年以内をめどに、総店舗数を6月末時点の2,149店から4割増の3,000店に引き上げる方針だ。地元紙ビジネスワールドなどが伝えた。ホルヘ・メンディオラ取締役は、ファーストリテイリングとの合弁で展開するカジュアル衣料品販売店「ユニクロ」が大成功していることに言及。フィリピン参入を検討する海外ブランドとの提携を、引き続き検討していく方針を示した。
ロッテマート、20年に85店へ 300坪の小型店中心に出店を加速NNA POWER ASIA 2018年8月21日付
ベトナム
韓国ロッテグループが、ベトナムでスーパーマーケット「ロッテマート」を2020年までに現在の13店から85店にする目標を掲げている。ロッテマートは中国事業の撤退を検討しており、ベトナムでの事業により注力していく方針。投資の負担が小さく、需要が見込める300坪前後の小型店を中心に、今後の店舗拡大に強い意欲を見せる一方、累積赤字が膨らんでいることや借地権の問題も抱えている。
セントラル、ベトナムの店舗増設に5億ドルNNA POWER ASIA 2018年8月24日付
タイ
タイ流通大手セントラル・グループは、2018~22年に5億米ドル(約550億円)を投じてベトナムの店舗を増設する。経済成長に伴う中間所得層の増加により、消費拡大が見込めるため。セントラル系列の総店舗数を現在の250店から720店に増やす計画。8月23日付バンコクポストが報じた。ベトナム現地法人のセントラル・グループ・ベトナムとビッグCベトナムのフィリップ・ブロイアニゴ社長は、毎年1億米ドルのペースで投資する計画を明らかにした。
下期に小型店5店新設へ、イオンストアーズNNA POWER ASIA 2018年8月20日付
香港
香港と広東省でスーパーマーケットなどを展開するイオンストアーズ香港の羽生有希会長は8月17日、2018年6月中間期決算の会見で、下半期(7~12月)に香港で小型店を5店新設すると明らかにした。蘋果日報など香港各紙が伝えた。7月には新界の馬鞍山と九龍湾にそれぞれ出店。年内はあと3店を開設する。中国本土では珠海と広州に百貨店を出す。
恒基兆業発展、新しい日式スーパー開設へNNA POWER ASIA 2018年8月27日付
香港
香港上場で商業施設を運営する恒基兆業発展(ヘンダーソン・インベストメント)は8月23日、今後新しい日本式のスーパーマーケットを開設する方針を示した。買収したユニー香港の経営資源やノウハウを生かす。2018年6月中間期決算の中で明らかにした。恒基兆業発展は5月31日、ユニー・ファミリーマートホールディングス(ユニー・ファミマHD)との間でユニー香港の買収取引を完了した。取引額は3億HKドル(約42億4,000万円)。恒基兆業発展は商業施設「千色Citistore」を域内で6店運営しており、業務統合を進めることでシナジー効果やコスト削減が期待できるとしている。
中国ECの京東、海外初の無人スーパー開店NNA POWER ASIA 2018年8月6日付
インドネシア
中国のインターネット通販大手の京東(JD.com)は8月2日、インドネシアの首都ジャカルタに無人スーパー「JD.ID X―マート」をオープンした。京東は昨年10月に中国・北京に無人スーパーの1号店をオープンして以来、中国で約20店舗を展開しているが、海外に進出するのは初めて。インドネシア国内でも最初の無人スーパーとなる。
オネストビー、日本のスーパーチェーンと提携NNA POWER ASIA 2018年7月26日付
シンガポール
スーパーマーケットチェーンのライフコーポレーション(東京都台東区)は7月25日、食糧雑貨などの買い物代行サービスを手掛けるシンガポールのオネストビーと提携すると発表した。オネストビーのサービスを通じて買い物ができる店舗に、東京・新宿の「ライフ若松河田駅前店」が26日から追加される。
ライフは首都圏と大阪周辺の8都府県で266店舗を展開。このうち47店舗で開設しているネットスーパーの利用者が年々増加していることから、オネストビーの買い物代行サービスを通じて、ネットスーパーを利用できない地域の顧客にも、同様のサービスを提供する考えだ。