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【意外な大国パキスタン(下)】
“禁酒の国”でも生産
名門ビール工場訪問記(続)
パキスタン
ムガル帝国の旧都 伝統の華やかさに包まれて
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ラホール旧市街のレストランで結婚式を挙げるカップル。ラホール城を見下ろすおしゃれなレストランで数十人が参加していた。旧市街の治安が回復したため、結婚式場として人気が高まっている。
パキスタンではブライダル市場が拡大しつつある。昨年は初めて、ブライダル市場の本格的な展示商談会がカラチで開催された。
焼きたてのチャパティに誘われる
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帰宅時間の夜7時。ラホール駅前の食堂は賑わっていた。チャパティ(平焼きの無発酵パン)と豆と肉の煮込みカレー、お通しのサラダ、チャイ(紅茶)が付いて約100円と庶民の胃袋の味方だ。焼きたてのチャパティが釜から次々と運ばれてくる。客も従業員も男ばかり。街中では「ニイハオ」と中国語であいさつされることが多く、人々はとてもフレンドリーだ。
度肝を抜く色彩のデコバス
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カラチの街中を走る路線バスの大半はいすゞ自動車や日野自動車の旧式バスで、パキスタン風に装飾されている。1台1台装飾は異なり、個性が光る。在留邦人は「デコバス」と呼んでいるが、これはデコレーション・バスの略。まるで宮崎駿監督のアニメ映画に出てくる「猫バス」のようだ。初乗り運賃は約10円。女性席が前方に設けられている。
パキスタンでは乗用車はほぼ100%、日本ブランド車が占める。しかし、トラックやバスなどの商用車は近年、中国ブランド車が台頭。都市内を走るエアコン付き新型路線バスのほとんどは中国車が採用されているが、派手な装飾はない。パキスタン名物の装飾バスは、いつまで見られるだろうか。