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日系企業が活発な動きを見せているアジアの医療業界。NNAが報じたニュースの中から関連の記事をピックアップ。
製薬大手4社、2桁増益狙う 市場拡大受け18年も強気目標NNA POWER ASIA 2018年3月23日付
ベトナム
ホーチミン証券取引所(HOSE)上場の医薬品メーカー4社による2018年の業績見通しが出そろった。市場の拡大を追い風にいずれも20%前後の増益を見込む。1人当たりの医薬品支出は25年には17年比で3倍弱の年163米ドル(約1万7,000円)に達するとされ、年齢構成の変化などを背景に今後は生活習慣病の医薬品などのニーズも高まるとみられる。
業界最大手のハウザン製薬(DHG)は昨年、税引き後利益が前年比1割減の6,400億ドン(2,800万米ドル)だったが、今年は2割増益の7,700億ドンを目指す。ドアン・ディン・ズイ・クオン社長代行は、「競争力ある新商品開発への投資を続ける。先端技術を使った商品を生み出せるよう海外の研究所とも協力する」と説明する。DHGは16年7月、大正製薬ホールディングスとの資本業務提携を結んでおり、提携3年目を迎える今年は協業の効果が期待される。
国内2位のトラファコ(TRA)も昨年11月に稼働させた点眼薬の新工場をてこに増収28%、増益15%を図る。3位のドメスコ(DMC)も増収10%、増益23%が目標だ。同社は現在、米製薬大手アボット・ラボラトリーズが過半株を握る。イメックスファーム製薬(IMP)は、南部ビンズオン省で新工場を稼働させ、売り上げは18~20%、利益は16~18%伸ばす。
高品質介護で市場開拓 MCS、KL近郊で2施設開業へNNA POWER ASIA 2018年3月14日付
マレーシア
「レイ・スラヤ・レジデンス」の介護棟をイメージしたショールーム。人感センサーや集音器を導入して、入居者に異常があれば介護スタッフが駆けつける。センサーを使った入居者のデータ収集は日本でもあまり導入されていないという=クアラルンプール(NNA撮影)
高齢者向け介護施設の運営を手掛けるメディカル・ケア・サービス(MCS、さいたま市)は先ごろ、マレーシアのスランゴール州で高齢者向けの居住施設をソフトオープンした。また、地場不動産開発大手UEMグループ、政府系投資会社プルモダラン・ナショナル(PNB)傘下のプラブラン・ハルタナ・ブミプトラ(PHB)らと合弁で、クアラルンプール(KL)市内中心部にも高級介護施設の建設を計画している。マレーシアでは、今後20年間で急速に高齢化が進行すると予測される中、日本での認知症ケア最大手としての経験を踏まえ、高品質の介護施設を展開する構えだ。
スランゴール州プタリンジャヤでソフトオープンした「タカハシ・レジェンド・ケア」は、地場の介護施設運営事業者ニュー・レジェンドとの合弁事業となる。同施設は一軒家タイプで、居住用の個室約30床を設けた。日本のグループホームをモデルとしており、看護師と介護士が常駐する。身の回りのことを自分で行える入居者向けの「ローケア」と車いすや寝たきりの入居者向けの「ハイケア」の2種類があり、月額料金は5,800~6,800リンギ(約15万8,376~18万5,682円)となっている。
一方、KL市内中心部のアンパン通りにショールームをオープンした有料老人ホーム「レイ・スラヤ・レジデンス」は、自立して生活が営める高齢者向けの自立棟と、要介護者向けの介護棟を併設する計画。自立棟は家具・家電付きの2寝室タイプ(900平方フィート=約83.6平方メートル)で、居室内での調理や自家用車を運転しての外出、夫婦での入居も可能だ。
シンガポールの中国系BHG、タイへの不妊治療ツアー誘致強化NNA POWER ASIA 2018年3月19日付
タイ
シンガポールの中国系ボーダーレス・ヘルスケア・グループ(BHG)は3月16日、中国人夫婦の不妊治療の渡航先としてタイへの誘致に乗り出す計画を明らかにした。タイ政府や民間企業と連携する考え。
中国では一人っ子政策の撤廃に伴い新たに子供を望む夫婦が増えているが、不妊に悩む夫婦も多いという。中国国内に不妊治療の施設が少なく、海外で治療を受ける夫婦が増加しているとして、中国に近く、不妊治療を提供する医療施設も多いタイへの誘致を計画。治療費が安く、中国人夫婦にとっては利用しやすい渡航先になるとみている。
不妊治療ツアーの平均滞在日数は20日~1カ月、支出額は1人当たり50万バーツ(約170万円)。医療施設だけでなく、リゾート施設、スパ、フィットネス、レストランなどへの恩恵も大きいという。中国人夫婦の潜在需要は9,000万組とされ、同社はこのうち90万組程度をターゲットとして誘致する。
昨年タイを訪れた中国人旅行者は980万人。今年は1,000万人を突破する見通し。
鴻海と統一が医療でタッグ セブン―イレブンに測定機NNA POWER ASIA 2018年3月15日付
台湾
EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業の郭台銘董事長と食品台湾大手の統一企業(ユニプレジデント)の羅智先董事長は3月14日、両社傘下の慈善ファンドが健康管理と病気の予防の分野で提携すると発表した。統一傘下のコンビニエンスストア台湾最大手「セブン―イレブン」で気軽に血圧測定が行えるシステムを配備していく。
14日付中央通信社など台湾各紙が伝えた。郭台銘董事長は、がん患者の撲滅を目指し2000年に「永齢健康基金会」を設立。統一企業は、傘下でコンビニ大手の統一超商とともに「千禧之愛健康基金会」を03年に設け、セブン―イレブンに無料で使用できる血圧計やウエスト測定メジャーなどを提供している。
両ファンドはまず、台湾19県市のセブン―イレブン100店舗に、永齢健康基金会が手掛けるスマート測定システム「H2U健康ATM」を設置する。同システムは鴻海のスマートクラウド技術を使って血圧や心電図、体重、体温が測定でき、利用者が腰回りのサイズと身長を入力すれば、自動でBMI(ボディマス指数、肥満度を表す体格指数)を算出する。
利用する場合、統一超商傘下の愛金カが発行するプリペイド式ICカード「icash(アイキャッシュ)2.0」、もしくは携帯電話番号を同システムに登録する必要がある。スマートフォンで専用アプリをダウンロードすれば計測データが蓄積でき、毎日の健康管理に役立つという。