アジア大学NEWS from NNA記事
企業が認める大学、私大部門2連覇
中原大学の産学連携に期待感NNA POWER ASIA 2018年2月14日付
台湾
人材紹介サイト「1111人力銀行」を運営する全球華人が企業関係者を対象に調査した、企業評価の高い大学ランキング「企業最愛大学調査」で、私大では中原大学(桃園市)が2017年度から2年連続の1位となった。日本ではなじみの薄い中堅校だが、近年、産学連携や実社会で役立つ教育カリキュラムを強化。企業の注目度の高まりがトップに選ばれた背景にあるようだ。
ランキングは国立大、私大、国立単科大、私立単科大の4分野で評価。国立大の1?5位は順に◇台湾大学(台北市)◇成功大学(台南市)◇清華大学(新竹市)◇政治大学(台北市)◇交通大学(新竹市)─となり、ほぼ例年と同じ難関校が名を連ねた。
私大は◇中原大学◇輔仁大学(新北市)◇淡江大学(新北市)◇逢甲大学(台中市)◇東呉大学(台北市)──。輔仁大学は前年から2ランク上げた。
国立3大学の初任給
17年は27.7万円で過去最高NNA POWER ASIA 18年2月28日付
シンガポール
シンガポールの国立3大学が発表した共同調査によると、3校の新卒者の初任給(中間値)は2017年に3,400Sドル(約27万7,000円)となり、12年の調査開始以来、最高を記録した。16年は3,300Sドルだった。
調査は昨年11月、シンガポール国立大学(NUS)、南洋工科大学(NTU)、シンガポール経営大学(SMU)の新卒者1万1,628人を対象に実施した。
大学別の初任給は、NUSとSMUがともに3,500Sドル。NUSは16年から2.9%上昇し、SMUは横ばいだった。NTUは1.8%上昇の3,487Sドル。
学部別で特に初任給が高かったのは、法学部や医学部、ビジネス・コンピューター関連コースだった。NUSとSMUの法学部出身者、NUSの医学部出身者はいずれも5,000Sドル。NTUの二重学位(ダブルディグリー)制度でビジネスとコンピューターを専攻した卒業生も5,000Sドルで、16年から8.7%上昇した。このほかNUSのコンピューター科学専攻者が4,285Sドル、歯学部出身者が4,050Sドルとなっている。
16年比で初任給の増加額が最も大きかったのはNTUの環境工学部出身者で、535Sドル増の3,635Sドルだった。
8大学の年間知識移転収入
トップは香港理工大学NNA POWER ASIA 18年1月15日付
香港
香港政府系の大学助成機関、香港大学教育資助委員会(UGC)によると、香港8大学が2016/17年度(16年4月?17年3月)に得た知識移転(ナレッジ・トランスファー)の収入は、前年度比4.7%増の20億1,000万HKドル(約285億6,100万円)だった。12日付香港文匯報が伝えた。
知識移転収入が最も多かったのは香港理工大学で、5億500万HKドルに上った。ただ、前年度から3,500万HKドル減少した。2位は香港大学(4億6,000万HKドル)で、8,000万HKドル増やし理工大に迫った。3位は香港中文大学(3億4,200万HKドル)だった。香港科技大学は前年度から7,700万HKドル増やして3億3,500万HKドルを計上した。
一方、文系の香港教育大学は6,969万HKドル、嶺南大学は2,332万HKドルにとどまった。
UGCは大学の技術移転を促進するため、毎年6,000万HKドルを拠出している。
大学生の中退 7年で約9割増加NNA POWER ASIA 17年12月27日付
香港
香港で中途退学する大学生が増えている。ここ7年で、中退した大学生は86%増の計1,251人に上った。香港経済日報が伝えた。
香港政府系の大学助成機関、香港大学教育資助委員会(UGC)によると、2009/10年度(09年4月〜10年3月)に中退した大学生は671人だったが、16/17年度には1,251人に増加。大学別では香港大学が最多で、16/17年度は232人と、7年で2倍以上増えた。香港中文大学や香港理工大学も多かった。
縄跳びの香港チームメンバーである張柏鴻さん(23)は香港大学でリスク管理を学んでいたが、「2年前に学業と起業、スポーツ選手を兼ねることが難しくなった」として、最終的に中退を決めた。日々忙しく、単位が足りなかったこともあり、縄跳び教室の経営と選手生活を続けることにした。ただ今は、香港中文大学の会計コースで再び学び始めている。「競技人生が終わりに近づく中で、ビジネスに関してもっと学びたいと思った」と話した。
人材業界の関係者は、中退する学生について、「健康上の理由など特別なものでない限り、中退は学力や適応力が足りないと雇用主に受けとられやすい」と指摘。安易な中退は“履歴書の汚点”になりかねないと警告した。
「企業が求める人材」育成
新興産業に即戦力を供給NNA POWER ASIA 17年12月22日付
中国
中国政府が「人材教育の供給側(サプライサイド)改革」に乗り出す。職業学校や大学のカリキュラムと企業が求める人材とのミスマッチ解消を図り、新エネルギー、電子商取引(EC)など現在の中国が必要とする新興産業に即戦力を供給できる体制づくりを目指す。企業に対しては、教育現場へ積極的に関与することを呼び掛ける。
国務院(中央政府)弁公庁が12月19日、「産学融合の深化に関する若干意見」として発表。今後10年前後の時間をかけ、人材教育と産業需要の間に横たわる構造的矛盾を解消し、経済発展と産業高度化に対する職業教育、高等教育の貢献を強める。
人材育成に特に力を入れるのは◇現代農業◇スマート製造◇次世代IT◇バイオ医薬◇省エネ・環境保護◇新エネルギー◇新材料◇研究開発・設計◇デジタルクリエーティブ◇現代交通・運輸◇高効率物流─といった、産業界で需要が大きいが専門の学科が不足している業界。このほか◇家政◇健康◇介護◇文化◇観光─などの社会サービスを支える人材教育にも重点を置く。
マクロ分野では、スマートシティー建設をはじめとする持続可能な都市開発に関連する専門教育を強化。より具体的な専攻としては◇IC◇航空エンジン・ガスタービンといった国家戦略または国家の安全に関する学科を増やす方針を掲げた。
ビングループが大学設立へ
国際水準の教育を目指すNNA POWER ASIA 18年3月7日付
ベトナム
ベトナムのコングロマリット(複合企業)、ベトナム投資グループ(ビングループ)がこのほど、大学教育部門の「ビンユニ」の設立を発表した。3月5日付ダウトゥ電子版が報じた。
ビンユニは国際水準の教育を提供し、国内大学教育を質の面で変革することを目標に掲げる。米コーネル大学、ペンシルバニア大学など、世界上位の各大学と提携し、イギリスの大学評価機関クアクアレリ・シモンズ、高等教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」などによる大学ランキング評価対象となることを目指す。
2018年中にキャンパス建設を開始。20年から学生の受け入れを始める予定だ。