出張前に押さえたい、注目国基本マニュアル
カンボジア編
カンボジア
他国に比べて外資規制が少ないカンボジア。外国企業による投資を成長エンジンに、2011年から6年連続で約7%の成長を続ける。この間、カンボジア日本人商工会(JBAC)の会員企業数は2.5倍の約250社に増えた。
縫製業が盛んだが、自動車部品などの製造も増えている。タイに進出する日系企業が生産の一部を移管する「タイ・プラスワン」の受け皿となる国境付近の経済特区も、将来の投資の拡大が期待される。政府は政策で産業の高度化を打ち出し、低賃金を売りにした産業からの脱却も図る方針だ。
総人口は東南アジアの国の中でも少ないが、30歳以下の若い人口が約7割を占める。内需を狙う企業の代表格がイオンモール。年間来店客数は約1,730万人に達する。18年夏には2号店が開業する予定だ。
17年11月には最大野党が解党され、政情不安や民主主義の後退懸念が広がった。一方、経済政策を維持する政府の方針が強まったとの見方もあり、外資の流入は続く。今年7月の総選挙でも現政権の続投が濃厚になりつつある。
注目トピック
NNA記事からピックアップ!
日本支援の信号9割稼働、首都の渋滞緩和へ
日本の支援で進むカンボジアの首都プノンペンでの信号システム整備事業で、100カ所の交差点に設置した信号機の約9割が稼働したことが分かった。交差点内の混雑減少や交通整理が容易になるなど、少しずつ効果が出始めている。2018年3月ごろから各交差点の信号システムを中央交通管制センターで一元管理する計画で、近く人材育成が始まる見通しだ。(カンボジア版2017年11月27日付)
ナガがカジノ施設を拡張、富裕層開拓へ
カンボジアのカジノ市場が活況を呈している。統合型カジノリゾート「ナガワールド」を運営する香港上場の金界控股(ナガコープ)が首都プノンペンのカジノ施設を拡張。富裕層や増加する中国人観光客の一段の取り込みを目指している。東南アジア域内のカジノ市場で先行するフィリピンやシンガポールなども運営業者が事業を拡大するなど、顧客争奪戦が激しくなりそうだ。(同11月24日付)
輸出産業の予定納税、22年まで免除延長
カンボジア財務経済省は、衣料・製靴など主な輸出業種を対象とする法人税の予定納税免除を、2022年まで延長する。予定納税の免除措置延長は11年以降4回目となる。(同11月29日付)