鉄道・インフラ編[4〜6位]
NNAが日々伝えるアジアの経済ニュース。最近の記事から注目トピックをピックアップした。
明電舎、アジア事業に本腰
タイのEPCをメコンに水平展開NNA POWER ASIA 2017年11月9日付
タイ
重電機器大手の明電舎は2017年12月に創業120年。東南アジアへの進出は早く、タイ法人は50年以上、シンガポール法人は40年以上の歴史を持つ。2018年3月期までの中期経営計画で、売上高2,400億円のうち海外で3割を確保する目標を掲げており、海外事業を統括する杉井守専務は「アジア事業の拡大が目標達成に向けた鍵を握る」とみている。とりわけメコン地域での工場向けEPC(設計・調達・建設)や電力産業向け事業に注力する方針だ。
――「17年度に海外売上高比率3割」の達成に向けた進捗(しんちょく)は。
16年にタイの自動車関連企業の間で設備投資を抑える動きが広がったことなどが影響し、目標を少し下回る水準で推移している。海外売上高のうち約7割がアジアで、それ以外は中国、米国になる見通し。東南アジアではシンガポールを中心とする電力や電気鉄道、水処理、タイでの日系工場向け設備のEPCが事業の柱。一方、インドで昨年子会社化した変圧器メーカー、プライム明電(旧プライム・エレクトリック)の事業もある程度のボリュームが見込める。シンガポール、タイ、インドを軸に事業を進めることで、海外売上高比率が3割を超えるとみている。
現状はシンガポールが東南アジアの稼ぎ頭となっているが、早期にメコンで5割を確保する体制を構築したい。タイは今までEPCが中心だったが、今後それだけでは大きな成長が見込めない。プラントの改築や増設、メンテナンスといった事業サイクルを構築できるようにするため、日本から保守の専門部隊が来て予防保全・診断などのサービスを行っている。
【MRT】<1>台北から淡水河を渡り三重へNNA POWER ASIA 2017年10月16日付
香港
台湾桃園国際空港と台北市内を結ぶ「桃園機場捷運(桃園空港MRT)」。全長51キロメートルの沿線には、歴史や自然、先端技術を体感できる多様なスポットが目白押しだ。毎週月曜に10週連続で、2駅ごとの見どころを紹介していく。
もともとツインタワー「台北双子星大楼」の基礎部分として建設された。タワーは紆余(うよ)曲折を経て来春、6度目の入札が行われる予定。チェックインカウンターが設けられ、中華航空、長栄航空、華信航空、立栄航空の搭乗客に限って離陸の3時間前までに搭乗手続きができる。地下4階のホームから地上2階まで望める圧巻の吹き抜けは日本人建築家・槇文彦が監修。
地下2階タクシー乗降口の壁面に並ぶ漢字は、作家・郭松棻の小説「駆ける母」の一節。米芸術家ジョセフ・コスースが全長144メートルのパブリックアートに仕上げた。
メトロ延伸へ3省市が合意
HCM市周辺に「日本式」拡大NNA POWER ASIA 2017年12月7日付
ベトナム
円借款で建設中のホーチミン市都市鉄道(メトロ、地下鉄)1号線(同市1区ベンタイン市場―9区スオイティエン)について、ホーチミン市人民委員会が先月末、隣接するビンズオン省とドンナイ省の南部2省が要請していた延伸に同意した。3省市が合意した路線ルートは、日本の経済産業省による事業化調査(FS)に基づいており、ビンズオン省ディーアン町およびドンナイ省ビエンホア市までを結ぶ延伸区間16キロメートルの整備に向けた調整が今後加速するとみられる。
経産省は延伸区間の事業費を23兆4,690億ドン(10億3,300万米ドル、約1,160億円)と見積もっており、1号線建設を主導する日本企業にとっては「日本式」メトロの延伸による商機の拡大が期待される。
経産省の延伸案では、ホーチミン市北東のスオイティエン駅から北に2キロ離れたディーアン町ビンタン地区にまず分岐駅を作る。分岐駅からはミーフック―タンバン道路沿いに西に向けてディーアンを横切る3駅6キロの区間と、北東方向にビエンホア市まで4駅8キロを走る区間に分かれる。トイバオキンテーサイゴンによれば、ホーチミン市はビンズオン省およびドンナイ省に書面で経産省の延伸ルート案に同意することを伝えた。経産省の提案は、調査受託先の日本工営と東京急行電鉄がまとめている。