消費者編［７〜10位］

中間層が成長するアジアで消費者向けにさまざまな商品やサービスが登場している。何が注目されているのか。最近のＮＮＡの記事からトップ10をまとめた。

マレーシアでアジア発チョコ展開
三越伊勢丹がプロデュースNNA POWER ASIA　2017年９月27日付

マレーシア

三越伊勢丹ホールディングスは９月26日、同社がプロデュースするチョコレートブランド「ナユタ チョコラタジア（ＮＡＹＵＴＡ　ＣＨＯＣＯＬＡＴＡＳＩＡ)」の店舗兼カフェを、10月20日にクアラルンプールの「イセタン・ザ・ジャパン・ストア」で開業すると発表した。同ブランドの店舗は世界で初めて。

ＮＡＹＵＴＡは、高品質で産地・作り手の明確なマレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナム産などのカカオ豆を使用。日本の有名店「パレ ド オール」のショコラティエ、三枝俊介氏が商品開発、技術指導を行った。日本人を含むアジア人の好みに合わせて作ったという。

バガン遺跡、観光誘致に苦戦
繁忙期に期待、隣国と連携もNNA POWER ASIA　2017年９月28日付

ミャンマー

ミャンマー最大の観光地の一つ、遺跡都市バガンが外国人観光客の誘致に苦戦している。地元業界幹部によると、昨年の地震の影響が残り、10月の雨期明けに期待をかける。政府は国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界遺産への登録を目指しているほか、カンボジア北西部のアンコール遺跡群と合わせて売り込もうとしている。バガンを訪れる観光客はアンコール遺跡群の７分の１程度で、波及効果に期待する。

ミャンマー・ホテル協会のバガン支部長を務めるゾー・トラベルズ＆ツアーズのゾー・ウェイ社長は地元紙イレブンに「（バガンを訪れる）観光客は減っており、ホテル業者は今年は利益を見込めない」と語った。観光業への成長を期待し多数のホテルが投資を行っているが、客室稼働率は現在30％に満たないという。バガンを訪れる外国人を国別に見ると、中国が最も多く、タイ、日本、韓国と続く。欧米ではドイツやフランスが多いが、全体として減少傾向にあるという。

伸び悩みの要因について、ゾー・ウェイ氏は「フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアで、（2016年８月の地震後の）被害状況が間違った形で伝えられた影響が大きい」と指摘。「観光は敏感な産業で、うわさを信じた人が旅行を取りやめたこともあった」と述べた。

長和とアリババが合弁
支付宝ＨＫを共同運営へNNA POWER ASIA　2017年９月28日付

香港

香港を代表する資産家の李嘉誠氏が会長を務める大型コングロマリットの長江和記実業（ＣＫハチソン・ホールディングス、長和）は９月26日、中国本土の電子商取引（ＥＣ）最大手である阿里巴巴集団（アリババ）系で、電子決済サービス「支付宝（アリペイ）」を運営するバ蟻金融服務集団（バ蟻金服、バ＝虫へんに馬）と合弁会社を設立すると発表した。バ蟻金服が５月から香港でサービスを始めた「支付宝ＨＫ」を共同運営する。互いの強みを持ち寄って、競争が激しい香港の電子決済市場を開拓する考えだ。

折半出資で合弁会社を設立する。ただ新会社の名称や資本金は不明。中国商務省などの認可を経て、2017年中の設立を目指す。李嘉誠氏とアリババの創業者である馬雲（ジャック・マー）氏が手を組むのは初めて。

長和はバ蟻金融との提携で、電子決済を用いたより効率的な「キャッシュレス化」を推し進める考えを強調。長和の霍建寧（カニング・フォック）副社長は「われわれが強みとする巨大な市場ネットワークとノウハウ、バ蟻金服が強みとするＩＴを融合させることで、高い相乗効果が期待できる」と意気込んだ。

バ蟻金融の井賢棟・最高経営責任者（ＣＥＯ）は「近い将来、ユーザーは今回の提携がもたらすさまざまなメリットを享受することになるだろう」とコメントした。

合弁会社は香港市場で基盤を固めてから、海外市場に打って出る考え。

ＬＧ電子が蚊よけスマホ
端末から音波NNA POWER ASIA　2017年9月28日付

インド

韓国の電機大手ＬＧ電子は９月27日、インドで蚊よけ機能が付いたスマートフォンを発売すると発表した。端末から音波を出すことで、蚊を遠ざけられるという。「Ｋ７ｉ」の価格は7,990ルピー（約１万3,700円）に設定した。蚊よけ機能は、スマホ画面に表示されているアプリで起動できる。超音波は人体に無害。

インドでは雨期に蚊が媒介するデング熱などが流行する。同社は、蚊対策に費用をかける消費者を中心にＫ７ｉの需要を掘り起こす考えだ。